歴史が長い集塵機メーカー3選
公開:2023.08.31 更新:2023.12.11
過去において、集塵機は主に工場内の環境改善を目指すために使用されていました。しかし、時代の移り変わりとともに、その役割は環境改善だけでなく品質向上にも拡大し、ますます重要性を増しています。
こちらの記事では、集塵機の歴史を振り返りつつ、この分野で長い歴史を持つ3つの集塵機メーカーを紹介します。これらの企業は長期にわたる専門知識と革新的なアプローチを通じて、環境と産業の融合を推進し、持続可能な未来の実現に貢献しています。
目次
集塵機の歴史
歴史ある集塵機メーカーの紹介の前に、集塵機のこれまでの歴史と経緯について解説します。
工場では、作業過程で発生する粉塵やガスなどの有害物質が作業員の健康に影響を及ぼし、周辺環境への影響も懸念されていました。大型の集塵機が工場脇に設置され、これらの有害物質を集めて浄化する役割を果たしていました。
特に生産現場では、作業中に発生する粉塵やガスが体内に蓄積され、作業員の健康被害を引き起こす可能性や、有害物質が工場から漏出することで大気汚染や水質汚濁が起こる可能性がありました。そのため、有害物質の排出は浄化処理が必要で、大型の集塵機がその役割を果たしていました。ただし、これらの大型集塵機の設置には複雑な配管工事や基礎工事が必要でした。
時が経ち、産業構造が変わる中で、集塵機の役割も変わり、粉塵の量よりも品質への影響がより重要視されるようになりました。例えば、液晶パネルや二次電池の製造などでは、微細な異物の付着が品質に大きな悪影響を及ぼすため、クリーンな環境で作業を行う必要がありました。このような背景から、集塵機の役割は「環境改善」から「品質改善」へと変わっていったのです。
集塵機の機能は年々進化し、用途にあった様々な集塵機の開発や品質の向上が進められて今日に至っています。
株式会社了生
株式会社了生は、フード選定からゴミ回収方法、防塵対策、設置までの一連のプロセスに関して、お客様のニーズや課題に合わせた集塵対策のノウハウを持っています。異なる対象物に応じた最適な集塵方法や装置の選定を行い、お客様の要望やビジネス環境に合った解決策を提案することが特徴です。
同社は、製品販売だけでなく、お客様の長期的なパートナーとしてのサポートを大切に考えています。メンテナンスや不具合に関しても真摯に取り組む姿勢を持ち、お客様のビジネス環境の変化に伴う新たな課題にもしっかりと対応しています。
企業名 | 株式会社了生 |
設立年月日 | 1918年 創業 |
資本金 | 1000万円 |
売上 | |
従業員数 | |
住所 | 愛知県 あま市 上萱津深見51 |
業種 | その他 |
取扱品目 | 集塵機・脱臭装置・送風機 |
株式会社了生が扱う集塵機
了生は、主に乾式集塵機を扱っています。乾式集塵機は簡易小型集塵機から中・大型集塵機も扱っており、特に同社の汎用型ジェットパルス式小型集塵機は、優れた払落し機能により長時間の連続運転が可能で、省エネルギー性にも優れています。
また同社の販売するPCL-H型集塵機は、同社独自の技術により危険物の確実な捕集を実現し、火花などの危険を事前に排除することで安全性を向上させています。
さらに、了生は湿式集塵機の提供や、顧客のニーズに合わせた特注・特殊仕様の集塵機の製造にも対応しています。特注品においては、ステンレス仕様から防爆仕様、防音仕様、耐熱仕様など、様々な要件に対応した製品を提供しています。
日本スピンドル製造株式会社
日本スピンドル株式会社は創業以来、紡績工場の環境改善や自動化・省力化を進める中で、エアフィルタや集塵機などの環境製品、そして様々な自動化装置の開発に着手し、これらの努力は現在の製品作りに生かされています。
現在の日本スピンドルは、独自の技術を通じて多岐にわたる分野で貢献しています。産業機械事業においては、産業分野に革命をもたらす製品を提供し、環境事業では地球環境の保護とリサイクルに寄与し、さらに空調・冷熱事業では安心な空間づくりと製造プロセスの最適化をサポートしています。
日本スピンドルの「集塵装置」は、産業活動において発生するガス中の粉塵や有害物質を取り除くことで、工場環境や周辺環境の向上に寄与しています。この装置はごみ焼却炉などで排ガス処理装置としても採用され、鉄鋼、発電プラント、セメント製造設備などさまざまな業界で重要な役割を果たしています。こうした努力により、日本スピンドルは地球環境の保全に寄与し続けています。
企業名 | 日本スピンドル製造株式会社 |
設立年月日 | 1918年 創業 |
資本金 | 32億7,599万4,600円 |
売上 | 165億6,659万円 |
従業員数 | 730名 |
住所 | 兵庫県尼崎市潮江4丁目2番30号 |
業種 | メーカー |
取扱品目 | スピニングマシン・集塵機・精密空調・エアフィルタ |
日本スピンドル製造株式会社が扱う集塵機
日本スピンドルではテストや測定も行っていることから、様々な製品を導入前にテストや検証を行う事が可能です。同社が扱う集塵機は高温ガス用集塵装置や大型集塵装置があります。それぞれ詳細に紹介します。
高温ガス用集塵装置は従来のバグフィルタが対応できなかった250℃以上の高温条件下での集塵を実現する装置です。これにより、さまざまな産業プロセスでの粉塵や粉体物質の回収が可能になり、地球温暖化問題への貢献や設備の最適化の可能性が広がります。
大型集塵装置は排ガス中のダスト効果的に取り除く高炉用、電気炉用集塵装置や、有害物質の削減に使用される薬剤の量を減少させ、差圧を低く抑えることでエネルギー効率を向上させ、また、スペースの節約も実現したごみ焼却炉用エコパルサー、社内のテスト装置を用いたテスト対応が可能なボイラ用集塵装置などがあります。
その他にも小型集塵装置や各種ミストに対応したSMT型ミスト集塵装置など豊富なラインナップがあります。
株式会社野水機械製作所
野水機械製作所は、研磨機や集塵機などの高性能マシンを通じて真価の創造と進化の実現に貢献しています。研磨作業は、製造プロセスの最終段階であり、精度の領域において付加価値を生み出します。製品をより美しく、高精度に仕上げることで、商品の価値を飛躍的に高める重要な要素となります。
野水機械製作所は、研磨・研削の分野において、さまざまな新素材に細やかに対応するプロフェッショナルとして位置づけられています。製品の用途やラインに合わせて、お客様のニーズに最適な高性能マシンをフルオーダーで提供しています。
企業名 | 株式会社野水機械製作所 |
設立年月日 | 1925年4月 創業 |
資本金 | 4億5千万円 |
売上 | |
従業員数 | 66名 |
住所 | 新潟県 三条市 須戸新田1196番地1 |
業種 | メーカー |
取扱品目 | 研磨機・砥石研削機・バリ取り・ヘアライン加工機機・集塵機 |
株式会社野水機械製作所が扱う集塵機
数多くの研磨機を扱う株式会社野水機械製作所では、研磨作業における粉塵を効果的に集塵するための集塵機であるNWS型集塵機やKM型集塵機を扱っています。NWS型集塵機は砥石やベルト研磨などの火花が発生する研磨作業に最適です。JIS試験用粉体7種を99%以上捕集できる性能を持っています。
また、KM型集塵機はイクロン方式とフィルター方式を組み合わせたコンパクトな構造で、粗い粉塵から細かい粉塵まで幅広い粒径の捕集が可能です。
また、マグネシウムやアルミニウムなどの粉塵に対応したNWS-M型集塵機、強力な吸塵力と高い集塵効率を持ち様々な場面で使用出来るやNBS 高圧集塵機等提など様々なタイプの集塵機を提供しています。
集塵機の歴史と、長い歴史を持つ国内の集塵機メーカー3社を紹介しました。いずれのメーカーも時代の流れとともに、集塵機を取り巻く状況やニーズが変わる中で、ものづくりに真摯に向き合い実績と信頼を勝ち得たメーカーです。
集塵機の業界においては、さらなる高性能化、省エネルギー化、コンパクト化といった要求に応えるため、これからも継続的な技術革新や製品開発が求められます。これらのメーカーは、その長い歴史と経験を活かして、変化するニーズに対応し、より優れた集塵機を提供することに尽力しています。