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大型集塵機を導入しよう!種類ごとの仕組みや選定ポイントを解説

公開:2023.12.20 更新:2024.12.23

大型集塵機は工場や生産施設において、粉塵や汚染物質を効果的に除去するための重要な装置です。しかし、大型集塵機の種類や選定ポイントを理解することは、正しく導入するために不可欠です。以下では、バグフィルター、湿式、サイクロン、電気の4つの大型集塵機の仕組みと、導入時に考慮すべきポイントを解説します。

4種類ある大型集塵機のそれぞれの仕組みとは?

集塵機には用途や仕組みの異なるさまざまな種類が存在します。その中でも大型集塵機で主要な4つの種類について仕組みや特徴を解説します。

◇バグフィルター大型集塵機

バグフィルター大型集塵機は、ガスを含んだ空気をフィルターでろ過し、清浄なガスを排出する仕組みを持っています。フィルターはポリエステルや耐熱ナイロンなどの素材で構成され、逆洗によってダストが除去されます。逆洗により、フィルターの効果が維持され、ダストは定期的に排出されます。

◇湿式大型集塵機

湿式大型集塵機は水を使用して空気中の粒子を捕集する装置です。湿らせた水が粒子を吸収し、有害成分を取り除くことで空気を浄化します。湿式集塵機は火災の危険性が低く、排気音量が少ない特徴があります。静電気の発生を抑え、有害な微粒子やダストを効果的に除去することが可能です。

◇サイクロン大型集塵機

サイクロン大型集塵機はフィルターを使用せず、遠心力によってゴミと空気を分離します。吸引したゴミが円錐内で回転し、重力に従って底に集まります。この仕組みにより、ゴミを捨てる手間が省け、消耗品の必要がありません。遠心力によって効率的にゴミを捕集し、清浄な空気を排出します。

◇電気大型集塵機

電気大型集塵機は、空気中の微粒子に電荷を与え、集塵極に引き寄せる仕組みを持っています。高電圧をかけることでイオンが発生し、これがダストの微粒子に吸着します。その後、引き寄せられたダストが集塵極に集まり、清浄な空気を排出することが可能です。この工程により、効率的なダスト捕集が実現できます。

大型集塵機を選ぶときに検討したいポイント

先ほど解説した通り、粉塵のタイプや用途により適した集塵機が変わります。大型集塵機を選ぶ際は他にも検討すべきポイントがありますので、ご紹介します。

◇粉塵の性質と工場環境の分析を実施

粉塵の性質と工場環境の分析は、大型集塵機の導入において欠かせない重要なステップです。粉塵の性質を理解するには、乾式粉塵、湿式粉塵、高温粉塵、爆発性粉塵、油煙、オイルミストなど、多岐にわたる種類を考慮する必要があります。

それぞれの特性に応じて適切な集塵方法を選定し、工場の具体的な環境条件も考慮に入れることが求められます。この分析を通じて、最適な集塵機とその周辺機器の組み合わせを検討し、粉塵の特性に応じた効果的な対策が必要です。これにより、導入される機器が最大限に効果を発揮し、工場の安全性と生産性が向上することが期待されます。

◇自社現場に適した機能を持つ機種を導入

自社現場に適した大型集塵機を導入する際、まずは粉塵の発生源の特定です。作業工程や機械の動作から発生する粉塵を細かく分析し、どのエリアや装置が特に問題となっているかをピンポイントで把握します。

この段階での正確な特定が、適した機能を持つ機種の導入に繋がります。各機器や機能の導入に際しては、現場スタッフの意見や作業状況を確認し、具体的なニーズに合わせた機種の導入が大切です。現場に適した機種を導入することで、工場の安全性と作業環境が大幅に向上します。

◇設置スペースを確保できるか検討する

工場のスペースは限られており、大型集塵機の設置をする際は、スペースについても慎重に検討が必要です。まず、現場のレイアウトや作業エリアを確認し、粉塵の発生源に最も効果的な配置を検討します。

集塵ブースの有効な利用や伸縮テントの導入によって、スペースを最適化し、コンパクトながら効果的な集塵が可能な環境を構築できるでしょう。特に、伸縮テントを活用することで、必要な時にのみ展開し、使用しない時は収納する柔軟性があります。

これにより、スペースの有効活用だけでなく、コストの最適化にも繋がるでしょう。機器の配置やレイアウト設計においても、工場全体の効率向上を図りつつ、スペースの制約を最小限に抑えることが大切です。結果として、工場の狭いスペースでも大型集塵機を効果的に導入し、作業環境の改善に期待できます。

画像出典先:フォトAC

自社設備への大型集塵機設置を進めよう

大型集塵機の導入にはコストもかかる為、慎重な検討が必要です。ここでは導入に際して必要な確認事項や検討すべきポイントについて解説します。

◇設置場所と環境を確認

部材加工業や金属切削加工業などで発生する粉塵に対して、適切な集塵が不可欠です。まず、設置場所と環境を入念に確認しましょう。例えば、部材加工業では素材の特性に応じて大量の切粉や削粉が発生するため、この特異な環境に適した大型集塵機の設置が必要です。

大型集塵機の導入により、騒音防止対策やゴミ回収の効率化にも留意することが肝要です。また、金属切削加工業では油煙ミストが深刻な問題となるため、ミストコレクターの検討も重要です。ミストコレクターは油煙ミストを回収する装置であり、フィルター式やフィルターレス式、電気集塵式などがあります。このように、現場のニーズに最適な設置場所と環境を確認することが大切です。

◇既製品で対応可能か検討

大型集塵機設置は、性能だけでなく、フードの形状やホースの仕様など様々な種類が存在しています。そのため、既製品が設置場所に対応できるかどうかを確認することが初めの一歩です。特に、単にスペック表の数値だけでなく、具体的な目的や用途を明確にし、最適な集塵装置を選ぶことが肝心です。正確な問題解決を図るには、どのシーンで集塵装置を利用するかを考慮し、慎重に選定していくことが必要です。

◇個別対応を要するならオーダーメイドを検討

自社設備への大型集塵機設置を進める中で、特定の問題に対処するには、既製品では難しい場合があります。例えば、近隣住民からのクレームや粉塵爆発のリスク対策、火災やランニングコストの抑制、スペースの制約などが挙げられます。

こうした課題に対応するためには、オーダーメイドの大型集塵機を検討してみましょう。それぞれの悩みに合わせてオーダーできるため、最適な問題解決に繋がります。様々な要因を考慮し、ニーズに合う集塵機を導入することで、効果的な大型集塵機の導入が実現します。


大型集塵機は、バグフィルター、湿式、サイクロン、電気の4つの主要な種類があります。バグフィルターはガスを含んだ空気をフィルターでろ過し、逆洗によってダストを排出します。湿式集塵機は水を使って粒子を吸収し、火災の危険性が低く、静電気を抑えます。サイクロン集塵機は遠心力でゴミと空気を分離し、消耗品が不要です。電気集塵機は微粒子に電荷を与え、集塵極に引き寄せて効率的にダストを捕集します。

大型集塵機を選ぶ際に検討すべきポイントは、粉塵の性質と工場環境の分析を行うことです。粉塵の種類に合わせて適切な集塵方法を選定し、工場の環境条件を考慮に入れます。また、自社現場のニーズに合った機種を選び、設置スペースを確保できるかを検討します。

さらに、オーダーメイドの集塵機を検討することで、特定の課題に対処できる可能性もあります。要するに、慎重な検討と適切な選定が大型集塵機の導入成功の鍵です。

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