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プリーツフィルターで大型集塵機の効率が上がる?

公開:2024.02.14 更新:2024.12.23

プリーツフィルターは、フィルターをプリーツ状に成形し、表面積を増やすことでろ過性能を向上させる装置です。これにより、大型集塵機の効率が向上し、圧力損失が低減します。また、交換可能な既存のフィルターとの交換も可能であり、濾過面積の増加によって処理風量が向上し、メンテナンスコストや運転コストの削減が期待できます。

プリーツフィルターとは?

プリーツフィルターとは、フィルターをプリーツ状に成形することで、体積あたりの表面積を増やし、ろ過性能を高めたものです。フィルターは構造によって特徴が異なり、目的や用途に応じた構造のものを選ぶ必要があります。ここではプリーツフィルターの特徴や、利点について解説します。

◇濾布面積を高めたフィルター

プリーツフィルターは、低圧損が求められる場合や特定の粒子径以上の粒子を確実に捕捉したい場合に用いられます。このフィルターは一般的に精密ろ過に適しており、小さな粒子径の除去率が高いという特徴を持ちますが、表面積を増やすと圧損が増加するという弱点もあります。この弱点を補うために、プリーツ加工によって体積当たりの表面積を増加させています。

プリーツ状の濾材を使用することにより、従来の円筒フィルターバッグや平板型濾布に比べて濾布面積が拡大します。これにより、集塵機の小型化が可能になり、同じサイズの集塵機でもより高い濾布面積を確保でき、濾過性能も向上します。ヒダは浅く間隔も広いため、洗浄効果が優れており、目詰まりや粉体の堆積が少ない構造になっています。集塵機の設置スペースに制限がある場合など、濾過面積を増やしたいときに有効な手段として用いられます。一般的に精密濾過に適しているため、小さな粒径の粒子を高い効率で除去できます。

プリーツフィルターは、精密濾過としてだけでなく簡易濾過としても利用できます。そのため、石油化学や薬品の濾過から各種給排水設備やプール、温浴施設などの水の濾過まで、幅広い業種や業界で使用されています。

◇既存のフィルターとの交換が可能

既存の大型集塵機フィルターとの交換が可能で、濾過面積の増加により処理風量が向上します。さらに、圧力損失が低減することによって集塵効率も大幅に上がります。これによって、濾布の寿命が長くなり、それに伴ってメンテナンスコストや運転コストの削減が期待できます。

プリーツフィルターで様々な課題が解決

画像出典先:株式会社アコー

集塵機で使用されるフィルターには様々な種類があります。その中でもプリーツフィルターは従来のフィルターで生じる課題に対応可能なフィルターとして注目を集めています。ここでは、従来のフィルターで生じる課題と、プリーツフィルターの違いについて解説します。

◇従来のフィルターで生じる課題

以下で従来のフィルターで生じる課題についてご紹介します。

圧力損失

フィルターが粉じんを捕集すると、空気がフィルターを通過する際に抵抗が生まれます。プリーツフィルターを採用することで濾過面積が広がります。濾過面積が増加すると圧力損失は小さくなり、集塵効率が著しく向上しはじめます。それに伴って、設備や機器のライフサイクルコストを低減も可能にします。

集塵の漏れやフィルターの破損

濾過風速を大きく取り過ぎると、フィルター上に極小の穴ができやすくなり、集塵率が低下します。また、フィルターの破損のリスクも高まることにも繋がります。しかし、プリーツフィルターを使用することで、濾過風速が低下するため、集塵の漏れやフィルターの破損といったリスクが大幅に軽減されます。

集塵機のスペースと費用がかさむ

プリーツフィルターは従来の4~5本分で済むため、よりコンパクトな集塵機を導入できます。フィルターの本数を減らすことで、大型集塵機の設置スペースの確保やコストの大幅削減が可能となります。

プリーツフィルターを扱っている集塵機メーカー

優れた性質を持つプリーツフィルターですが、各集塵メーカーによって性能やメンテナンス性に優れた製品が次々に開発されています。ここで、プリーツフィルターを扱っている集塵機メーカーとプリーツフィルターの特徴についてご紹介します。

◇株式会社アコー

株式会社アコーの「プリーツバグフィルター」では、装置の容積が従来の1/2~1/3に縮小され、省スペースとコスト削減を実現しています。濾過面積が円筒濾布の約4倍に増加したことによって圧力損失が低減し、長寿命で経済的な点が特徴です。濾過風速を抑えることで、粉もれを防止しています。最大3mのフィルターサイズと最高200℃の耐熱温度を持ち、さらに、処理ガスに応じて選択できる多彩なラインナップが用意されています。

主な用途は、粉体の収集やヒューム除去、粉砕品の回収、空気輸送、局所および環境集塵、白煙および黒煙の除去、外気取り入れなどです。化学品工場、食品工場、医薬品業界、粉体受託加工工場、産廃処理工場などへの導入実績を持っています。

◇株式会社流機エンジニアリング

硬質な濾布をひだ状に折り込み円筒状に成形した特殊な構造を持ち、大面積でありながらも小容積です。これにより、集塵機本体がコンパクトになり、バグフィルター集塵機と比較して設置面積が大幅に削減されています。標準フィルターは大気レベルと同等の清浄度で、微粒子フィルターならばナノレベルの粉塵にも対応可能です。難易度の高いカスタマイズが可能で、高温や腐食性ガスなどの過酷な条件下でも効果的な集塵が実現できます。

圧縮空気による衝撃波で粉塵を効果的に除去し、目詰まりを防ぎます。そのため、フィルター交換の必要ありません。4倍の過負荷パルス×10万回の耐久試験によって強度を確認。ランニングコストと交換の手間を大幅に削減します。

◇株式会社テクノスサーブ

「逆洗パルスジェットろ過式集塵機」のプリーツフィルターでは、従来の同サイズの円筒ろ布と比較して、約3倍の濾過面積を持っています。ケーシングがコンパクトになり、限られたスペースに装置を組み込むことが可能です。

圧縮空気を瞬時に噴射して、濾布に付着した粉塵を効果的に払い落とすことが可能です。この手法により、処理ガスの流れを停止させることなく粉塵を取り除くことができ、風量や圧力の変動が少ないため、高濃度の空気輸送や各種環境集塵に対応できます。さまざまな用途に対応でき、電池材料や石油化学、医薬品、食料品の回収から環境改善集塵、焼却炉排気用のフィルターまで、使用条件に合わせて小風量から大風量の処理までオーダーメイドできます。


プリーツフィルターは、フィルターをプリーツ状に成形することで表面積を増やし、ろ過性能を向上させる装置です。この特性により、低圧損が求められる場面や精密ろ過が必要な場合に利用されます。

従来のフィルターでは生じる圧力損失や集塵効率の低下、濾過風速によるフィルターの破損などの課題を解決し、濾過面積の増加によって処理風量を向上させます。また、プリーツフィルターは様々な業種や業界で使用され、精密濾過だけでなく簡易濾過にも適しています。 さらに、株式会社アコーや株式会社流機エンジニアリング、株式会社テクノスサーブなどのメーカーが優れた製品を提供しており、コンパクトな設計や耐久性の向上など、さまざまな特長を持っています。

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