工場内の粉塵を改善しよう！主な対策及び大型集塵機の種類について紹介 | 【大型集塵機完全ガイド】おすすめ集塵機メーカー2選

工場内の粉塵を改善しよう！主な対策及び大型集塵機の種類について紹介

公開：2023.12.25　更新：2024.12.23

工場の粉塵は人体に対して、じん肺などの健康被害などさまざまな影響を及ぼします。それだけではなく工場で製造される製品の品質の低下にもつながるおそれがあります。こちらでは、工場内の粉塵が人体に及ぼす影響や主な対策について詳しく紹介し、また、粉塵対策に有効な大型集塵機のメーカーについても解説します。

工場で粉塵が発生する理由とは？

工場の粉塵が人体に及ぼす影響や、粉塵対策について解説するまえに、そもそもなぜ粉塵が発生してしまうのかを見ていきましょう。

工場ではさまざまな原因によって粉塵が発生します。たとえば、原材料や製品を加工するときや、空調システムの不備、さらに作業方法の誤りなどによって工場内で粉塵が舞ってしまうのです。

加工による粉塵の発生

原材料や製品を切断したり、研磨したりするときに、粉塵が発生して工場内で舞ってしまいます。原材料によって粉塵の発生しやすさに違いはあるものの、切断や研磨作業においては少なからず粉塵が発生してしまうのです。

換気システムの不備による粉塵の発生

加工中に粉塵が発生することは想定の範囲内という方も多いでしょう。ただ、工場では加工作業中だけでなく、空調システムや換気システムのトラブルによって粉塵が舞ってしまうケースも珍しくありません。

通常、粉塵が工場内に舞わないようにするために換気システムを導入しています。しかし、そもそも換気システムが故障していたり、定期的に清掃されていなかったりすると正常に換気できません。

換気システムが正常に作動しないことで、粉塵を排出できずに工場内に溜まってしまい、結果的に工場内に粉塵が舞ってしまうのです。

作業方法の誤りによる粉塵の発生

加工作業や換気システムの不備以外にも、誤った作業方法が原因で粉塵が発生することがあります。

加工作業中はどうしても、少なからず粉塵が発生してしまいます。しかし、適切な方法で作業すれば、粉塵の発生を最小限に抑えることができ、「増やさない」といった対策が取れるのです。

工場の粉塵が人体に及ぼす影響と主な対策

工場の粉塵は人体に対して、じん肺などの健康被害などさまざまな影響を及ぼします。それだけではなく工場で製造される製品の品質の低下にもつながるおそれがあります。こちらでは、工場の粉塵が人体に及ぼす影響と主な対策について、詳しくご紹介いたします。

◇粉塵が多い環境が人体に及ぼす影響

長期間にわたり、多くの粉塵を吸引し続けてしまうと、『じん肺』と呼ばれる肺疾患に罹患する可能性が高まります。じん肺は、長期間にわたって粉じんを吸い込むことで引き起こされる肺の疾患です。主な原因として、石綿じん肺、珪肺、炭じん肺、シリコーシスなどがあります。肺組織が線維化し、硬くなり、呼吸機能が低下する特徴があります。早期発見と予防が重要です。また気管支炎、肺がん、気胸などの合併症を発症しやすくなるおそれがあり、大変危険です。

じん肺は数年から数十年ほどの長い歳月をかけて症状が進行するため、作業を行っている際にじん肺に罹患していると自覚することは非常に困難であると言えるでしょう。なお、じん肺は鉱山、石綿を扱う環境、石工、金属の粉塵が発生する環境で作業されている方などが発症しやすく、主な初期症状として、息切れ、咳、痰の増加などが挙げられます。

◇製品の品質低下にもつながる

粉塵による影響は、人体に及ぼす健康被害だけではなく工場で製造される製品の品質の低下にもつながるおそれがあります。その理由として、工場内でじん肺や肺疾患などを発症する方が増加すると、労働者の健康状態が悪化し、仕事に対する能力やパフォーマンスが低下する可能性があるためです。このことにより、製品の生産および品質の低下に影響を与えるおそれがあると言っても過言ではありません。

そのため、作業されている方の健康を守るためにも、製品の生産および品質を低下させてしまわないためにも、工場などの作業場において、粉塵対策の実施は非常に大切であると言えるでしょう。

◇粉塵対策の基本は3点

工場の粉塵がどのような影響を及ぼすかを理解できたものの、そもそも具体的にどういった対策をおこなえばいいのかわからない方もいるでしょう。

主な粉塵対策として、次の3つが挙げられます。

粉塵を発生させない

そもそも、粉塵を発生させないことは、粉塵対策として、最も効果的で望ましい対策方法のひとつであると言えるでしょう。その理由として、粉塵を発生させないことにより、労働環境の安全性および労働者の健康を確保するために非常に有効であるためです。

とはいえ、どうすれば粉塵が発生しないのか知りたい方がほとんどでしょう。結論からいうと、作業方法や原材料を見直すことで粉塵の発生を抑制することが可能です。ただ、作業方法や原材料の変更により、製作コストが変わったり、製品自体の品質に影響したりする可能性もあります。そのため、試験的にさまざまな原材料を試したうえで変更するかどうかを検討することをおすすめします。

粉塵の拡散の防止

粉塵の拡散の防止は、粉塵対策として、非常に有効であると言えるでしょう。なお、粉塵の拡散を防止する方法として、水を使用して粉塵を抑える湿式法と集塵機の導入などが挙げられます。集塵機の導入とは異なり、湿式法は安価かつ容易に行えるため、粉塵などでお困りの場合は試してみるとよいでしょう。

粉塵を吸入しない

粉塵対策を行っていても、粉塵が発生する場合は作業の自動化や遠隔化などを検討してみるとよいでしょう。これにより、作業者の粉塵の吸入を避けられます。また、作業を行う場合、フェイスシールドやゴーグルなどの保護具の装着を推奨するのもアイディアのひとつです。

工場内の粉塵を改善するための対策とは

工場内の粉塵を改善するための対策として、さまざまなものが挙げられます。例えば、粉塵の発生を減少させる取り組みはそのひとつです。こちらでは、工場内の粉塵を改善するための対策について、詳しくご紹介いたします。

◇粉塵の発生を減少させる取り組み

粉塵の発生を減少させる対策は、工場内の作業環境を改善する重要な手段です。以下に、粉塵対策の効果的な方法を解説します。

作業方法の見直し

粉塵が発生しやすい作業プロセスを見直し、改善します。作業と非作業エリアを分け、粉塵の飛散を最小限に抑えましょう。必要なら間仕切りを設置して、粉塵の拡散を防ぎます。

設備のカバーやフィルター

粉塵が発生する機械や設備にカバーやフィルターを取り付けます。これにより、粉塵の飛散を抑制し、作業環境をクリーンに保ちます。

散水や粉塵防止剤の使用

水を使用して粉塵を抑える湿式法を採用します。粉塵が発生する場所に散水装置を設置したり、粉塵防止剤を噴霧したりして、粉塵の飛散を防ぎます。

斜面や丸みを持たせた設計

梁や窓枠の上辺に傾斜をつけることで、粉塵が堆積しにくくなります。また、床と壁の境目に丸みを持たせることで、粉塵の掃除が容易になります。

建築段階からの計画

倉庫や工場を建設する際に、粉塵対策を考慮した設計を行います。建物の構造や換気設備、間仕切りなどを工場内の粉塵の発生源に合わせて設計しましょう。

これらの対策を実施することで、粉塵による健康被害を最小限に抑え、作業環境を改善することができます。粉塵関連の法規制や規制値にも適合するよう、継続的な管理と監視が重要です。

◇集塵機の活用

高性能の集塵機を導入して粉塵を効果的に取り除きます。有害性の低い粉塵であれば、換気により濃度を薄める方法も考えられます。

工場内の粉塵を改善するための対策として、粉塵の濃度を薄くする、つまり、工場内の換気を行うといった方法もあります。しかし、こちらの方法は場合により、危険が伴うおそれがあるため、注意が必要です。

集塵機とは、工業や作業場などで発生する粉塵や微粒子などを気体から取り除く装置のことを指します。こちらの装置は、空気中を舞う粉塵などの吸入を目的として作られているため、粉塵を改善するための対策として、非常に有効であると言えるでしょう。

粉塵対策に効果的な大型集塵機を販売するメーカー

粉塵対策に効果的な大型集塵機を販売するメーカーとして、シケン株式会社や新東工業株式会社が挙げられます。こちらでは、それぞれのメーカーおよび販売する大型集塵機について、詳しくご紹介いたします。

◇株式会社アコー

株式会社アコーは、オーダーメイドで集塵機の製造・販売を行っています。アコーが提供する大型集塵機はサイズやタイプ（据え置き型や可動式型など）を選べるので、さまざまなニーズに対応できます。

すべての製品は爆発や火災に対する安全対策が施されており、火の粉を含むガスでも安心して使用できます。メンテナンスも簡単で、コストを大幅に削減できます。これにより、企業は集塵効率を向上させ、回収率や利益率を改善することができます。

少しでも株式会社アコーが気になった方はHPを覗いてみてください。

◇シケン株式会社

シケン株式会社とは、大阪府東大阪市に所在する研磨機、研磨加工、集塵装置、空気輸送装置などの開発や販売を行うメーカーです。なお、シケン株式会社が販売するバックフィルター式集塵機は、連続運転しながら、効果的な払い落しができる点が大きな特徴のひとつであると言えるでしょう。

◇新東工業株式会社

新東工業株式会社とは、愛知県名古屋市に所在する自動車、航空機、船舶、インフラ、エネルギー、電子部品、機械要素部品などのさまざまな分野のものづくりを支えているメーカーです。

なお、新東工業株式会社が販売するUDCMシリーズは一般粉塵から高温ガスの集塵まで幅広く対応できる点が、NCFMシリーズは集塵機の設置場所を削減できる点が、TDC-Cシリーズは長時間運転の場合であっても効率よく払い落しができる点が大きな特徴のひとつであると言えるでしょう。

集塵機を使用するときの注意点

集塵機を活用することで、粉塵濃度を薄められたり、工場内に舞う粉塵の量を抑制できたりします。粉塵は製品の品質だけでなく、人体にも影響を及ぼすことから、できるだけ早いタイミングで集塵機を導入して工場内の環境を整えることが大切です。

しかし、集塵機を使用するときは、以下の3点について注意しなければならないことがあります。ここでは、3つの注意点について詳しく見ていきましょう。

• 火災事故防止
• 粉塵爆発防止
• 日常点検・清掃

火災事故防止

集塵機は粉塵を吸引して工場内に舞う粉塵を抑制できます。ただ、粉塵だけでなく、空気やほかの気体、物質も吸引する可能性があるので、設置場所や使い方を間違えると大きなトラブルを引き起こしてしまうこともあるのです。

大きなトラブルの代表例として挙げられるのが火災です。集塵機が火花を吸引すると、粉塵に引火して火災が発生することがあります。集塵機の設置場所と溶接作業をしている場所が近い場合は、集塵機が火花を吸引してしまう恐れがあり、火災を引き起こしてしまいます。

そのため、溶接作業の場所から離れたところに集塵機を設置しなければなりません。

粉塵爆発防止

火災事故のほかに、粉塵爆発にも注意が必要です。爆発性や可燃性の粉塵を吸引すると、粉塵爆発が発生することがあります。具体的に以下のような物質はとくに注意が必要です。

引火性物質

• シンナー
• ベンジン
• ガソリン
• 灯油

など

爆発性物質

• ニトログリセリン
• ニトログリコール
• ニトロ化合物

など

発火性物質

• マグネシウム
• 亜鉛
• アルミニウム
• 赤リン
• 黄リン

など

日常点検・清掃

集塵機を活用すれば工場内の粉塵を抑制できます。しかし、適切な使い方ができていなければ、本来の性能を発揮できず粉塵を抑えられないこともあるでしょう。また、使用方法を誤れば、先述の通り火災や爆発事故を引き起こしかねません。

集塵機本来の性能を発揮させるのはもちろん、爆発事故などを引き起こさないためにも、日頃から点検・管理をしっかりとおこなうことが大切です。

点検や清掃については、集塵機メーカーや製品によって多少の違いはあります。しかし、いずれの集塵機も日常点検は必要です。

たとえば、フィルタに粉塵が溜まったまま放置していると、ダクトの中に火花が浸入してしまう恐れがあり、火災が発生する可能性があります。そのため、フィルタについては毎日清掃しなければなりません。さらに、フィルタだけでなく、前処理装置に粉塵が溜まると火災や爆発の原因となるので、毎日清掃する必要があります。

なお、フィルタは消耗品であるため、一定期間が経過すると清掃だけでは十分に粉塵を取り切れなかったり、消耗して本来の性能を発揮できなくなったりしてしまいます。したがって、メーカー指定のサイクルで交換しなければなりません。

粉塵改善として工場に集塵機を導入するメリット

工場内の粉塵を改善するために集塵機を導入することで、さまざまな恩恵を受けられます。ここでは、「経済的なメリット」「生産性のメリット」「健康面のメリット」にわけて、詳しく見ていきましょう。

経済的なメリット

工場内で粉塵が発生すると人体に影響を及ぼしたり、製品の品質が低下したりします。さらに、ほかの機械にも粉塵が付着して、機械が故障するといったケースも珍しくありません。

機械が故障しないように定期的に付着した粉塵を取り除いたり、メンテナンスをおこなうことが重要です。ただ、メンテナンス頻度が多くなると、その分コストがかかってしまいます。また、仮に機械が故障してしまったら、修理費用がかかってしまうので経済的損失が大きいのです。

しかし、集塵機を導入して粉塵改善をおこなえば、ほかの機械への影響を抑えることができるので、故障リスクが低下して余計なコストをかけずに済むでしょう。

生産性のメリット

工場内に粉塵が舞っている環境は、お世辞にもいい環境とはいえません。悪い環境の中で働くことは、従業員の仕事に対するモチベーションを阻害してしまい、結果的に生産性が落ちることがあるでしょう。

しかし、集塵機を活用して工場内の環境がよくなれば、従業員が集中して作業することができて生産効率が向上することを期待できます。

健康面のメリット

工場に集塵機を設置する最大のメリットともいえるのが安全性の向上です。人が粉塵を吸い続けると、じん肺などの肺疾患に罹患する可能性が高まります。集塵機を採用すれば工場内の空気環境をよくでき、健康被害を引き起こすリスクを抑えることが可能です。

そのほか、床に粉塵が溜まるとすべりやすくなり、転倒リスクが高まります。また粉塵が空気中を舞うことで視界が悪くなり、大きな事故を引き起こしかねません。しかし、集塵機を活用すれば、空気中の粉塵の量を抑制でき、床に粉塵が溜まりにくくなったり、視界不良を抑えられたりします。

工場に集塵機を設置することで、さまざまなメリットがあります。導入コストはかかるものの、長期的な目で見ると、経済的メリットや生産性のメリット、健康面のメリットなど、たくさんの恩恵を受けられるでしょう。

工場の粉塵は、人体に健康被害を及ぼすだけでなく、製品品質にも悪影響を及ぼす可能性があります。粉塵による主な影響は、じん肺と呼ばれる肺疾患の発症であり、石綿じん肺、珪肺、炭じん肺、シリコーシスなどがその原因です。これらの疾患は呼吸機能の低下や合併症を引き起こす危険があります。また、粉塵の健康被害だけでなく、労働者の健康状態が悪化し、製品品質にも悪影響を及ぼす可能性があるため、粉塵対策が重要です。

粉塵対策の基本は、粉塵を発生させない、粉塵の拡散を防止する、粉塵を吸入しない、の3つです。これらの対策を実施することで、粉塵関連の健康被害を最小限に抑えることができます。

さらに、高性能の集塵機の活用も粉塵対策に効果的です。シケン株式会社と新東工業株式会社は、粉塵対策に優れた大型集塵機を提供しています。これらの対策と集塵機の活用により、工場内の粉塵問題を解決し、労働者の健康と製品品質を保護することができます。