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集塵機火災の原因は?リスクを減らす方法を紹介

公開:2024.09.30 更新:2024.09.30

火災

集塵機周辺での火災リスクには、静電気による爆発や粉塵の堆積が関与しています。アン粉体の移送中に爆発が起こった事例や、フィルターや集塵機本体から出火した事例も少なくありません。火災リスクを抑える対策としては、湿式集塵機が効果的です。水を利用して粉塵を捕集するため、発火しやすい粉塵の回収に適しています。

例えば、株式会社アコーのウェットスクラバーは、水と気体の混合によって粉塵を捕集し、高温ガスや有毒ガスの回収にも効果的です。フィルター不要でメンテナンスコストも低減されます。

アマノ株式会社の粉塵爆発圧力放散型湿式集塵機(スクラバー)SAは、マグネシウム合金粉塵の回収に対応可能です。爆発時にエネルギーを放散して本体破裂を防ぐ安全対策も施されています。

集塵機周辺で起こりえる火災の原因

作業場の細かいゴミを集塵するために活躍する集塵機ですが、集塵機の周辺にゴミを残しておけば火災に繋がる危険な機械でもあります。この章では、集塵機周辺で起こりえる火災の原因について、実際の事例からご紹介します。

◇集塵設備外の爆発

集塵設備外の爆発の事例として、精製した粉体アントラセンの移送作業中の事例があります。アントラセンを移送中にホッパーを叩いてしまい、アントラセン粒子が中に吹き上げたことが原因の爆発事例です。

集塵機内に静電気が発生し、吹き上げられたアントラセン粒子に引火したと推定されています。この事例の背景には、作業員の危険性への意識が薄かったことが考えられます。今後の回避策は、作業員への十分な訓練や教育、危険性への理解を深める策などが必要です。

◇集塵設備の爆発

集塵設備の爆発の事例として、重機部品のショットブラスト作業中の発火の事例があります。この事例で使われていた集塵機はポリエステル製のフィルターが使用されており、過去にも静電気による火災が発生していました。

過去に起きた事例から火災の予防策としての接地工事が行われていましたが、同じ集塵機から出火してしまったのです。作業員への訓練や教育、再発防止策をどれだけ講じても、作業場と集塵機の相性次第で火災は発生してしまうことがうかがえます。

集塵機火災につながる要因

集塵機火災につながる要因として、経年劣化と粉塵の堆積のふたつの要因が考えられます。どちらも平常時からメンテナンスを心がければ避けられる要因です。どのような流れでこのふたつの要因が火災を生み出してしまうのかをご紹介します。

◇経年劣化

集塵機火災につながる原因のひとつが経年劣化です。具体的な事例として、バグフィルターの銅線アースが不良で、静電気が溜まり内部で出火した事例があります。

この事例の原因は、集塵機を長い期間使い続けたため、電気配線にトラブルが生じてしまい、その結果内部でスパークを起こし火災が発生してしまいました。集塵機は稼働時間が長い設備のため、経年劣化を起こしてしまうのは仕方のないことです。しかし、仕方がないと見過ごさずに平常時からメンテナンスを行なっておくことが必要です。

◇粉塵の堆積

集塵機火災につながる原因として、粉塵の堆積も挙げられます。粉塵の堆積で引き起こされる火災はほとんどが同じメカニズムです。

吸引されたダストがダクト内に堆積し、そのダストに火の粉が接触し小さな火災が生まれます。その小さな火災から大量の火の粉が集塵機に飛び、フィルターにまで到達してしまい大きな火災になるのです。

経年劣化と粉塵の堆積は集塵機を使用すると、避けては通れない道ではあります。しかし、火災が発生し集塵機を新調する費用や大きな火災になるリスクを考え、火災が生まれにくい集塵機を選ぶ必要があります。

火災リスクを抑える湿式集塵機

ウェットスクラバー
画像出典:株式会社アコー 公式サイト

集塵機の使用で引き起こされる火災リスクを限りなく抑える集塵機も存在します。それが湿式集塵機です。湿式集塵機の仕組みと、どのような種類があるのかについてご紹介します。

◇湿式集塵機とは

湿式集塵機は、粒子を捕集するために水を利用する集塵機のです。汚れた空気を吸入し、その空気中の粉塵を直流高電圧で捕集チャンバーへ引き寄せます。捕集チャンバー内は水で満たされており、粉塵は集塵版に吸着する仕組みです。

湿式集塵機のメリットは水を利用しているため火災の心配が無い点と環境に優しい点で、効果的な省力化が可能です。

◇ウェットスクラバー

ウェットスクラバーは、株式会社アコーの湿式集塵機です。水が巻き上げられ内壁と衝突し、その衝撃で気体と液体の効果的な気液混合が生み出され、粉塵が水によって捕集される仕組みです。

シングルスクラバーでは8μm粒子を100%捕集、ダブルスクラバーでは1μm粒子を99%捕集でき、発火・爆発性粉塵はもとより、高温排ガスダストや有毒ガスの回収にも有用です。

シンプルな構造のため風量が低下せず、安定性が高いうえに、フィルターが不要なためメンテナンスコストも軽減されます。

◇粉塵爆発圧力放散型湿式集塵機(スクラバー)SA

粉塵爆発圧力放散型湿式集塵機は、アマノ株式会社の湿式集塵機です。水によって回収した粉塵の消火を行えるため、発火の危険性が高いマグネシウム合金粉塵の回収に適しています。

万が一爆発した際の安全対策を盛り込まれているのも特徴です。爆発圧力放散口が爆発のエネルギーを放散させ、集塵機本体の破裂を防ぎます。

他にも逆止弁、水素抜き弁、水位センサー、排気マフラーなどがついており、徹底的に火災に対する安全対策が施されています。

湿式集塵機で火災を抑制した事例

実際に湿式集塵機を使用し、火災を抑制した事例についてご紹介します。

◇ウェットスクラバーを導入した事例

実験の際に金属粉が舞うため集塵機を使用したいが、粉塵爆発を起こすような集塵機は不安という企業の事例です。

ウェットスクラバーを導入前の状況は、爆発の危険性が高い粉塵が大量に舞うことが想定される実験室で、乾式集塵機の導入を検討しているが、粉塵爆発が起きそうで不安との悩みでした。

そこでこの実験室ではアコーのウェットスクラバーを導入。しかし、設置場所は常時給排水ができない場所だったため、水を循環させるスプレーノズルを使用し、この実験室のためだけのウェットスクラバーを提供しました。結果として、粉塵爆発のリスクを大幅に下げることができ、お客さまの不安を取り除くことに成功したのです。

◇サイクロンと湿式集塵機を導入した事例

切削加工と研磨工程の多い工場にサイクロンと湿式集塵機を導入した事例です。大型集塵機と小型集塵機を導入していましたが、その工場では取り扱う製品に油がついているため、集塵機内に油が付着し、研磨の火花が原因で集塵機が燃えてしまうことについて悩まれていました。

湿式集塵機だけでは、油のついたゴミの処理が大変だったためサイクロン式の集塵機も導入しました。結果として、サイクロンで軽いゴミを分離でき、火の付いた軽いゴミがバグフィルターまで届かなくなり、火災の心配を無くせました。


集塵機周辺での火災リスクには、静電気の発生や粉塵の堆積が密接に関わっています。例えば、アントラセン粉体の移送作業中に起きた爆発では、作業員の危険意識が低く、適切な対応が行われなかったことが原因とされています。

また、ショットブラスト作業中に発生した集塵機爆発では、使用されていたポリエステル製フィルターが静電気を原因とした火災の引き金となり、接地工事を施したにもかかわらず再発したことが報告されています。

こうした事例からも、集塵機の経年劣化や粉塵の堆積が火災の主な原因となることがわかり、定期的なメンテナンスや設備の更新が必要不可欠です。

火災リスクの低減策として、湿式集塵機が効果的です。このタイプの集塵機は水を使って粉塵を捕集し、火災のリスクを大幅に軽減するため、安全性が高いと評価されています。

株式会社アコーのウェットスクラバーは、気体と水の効果的な混合により粉塵を捕集するシステムで、シングルスクラバーは8μm粒子を100%、ダブルスクラバーは1μm粒子を99%捕集します。また、高温ガスや有毒ガスの回収にも対応可能で、フィルターを使用しないためメンテナンスコストも削減でき、長期的な運用が安定します。

アマノ株式会社の粉塵爆発圧力放散型湿式集塵機(スクラバー)SAは、特に発火性の高いマグネシウム合金粉塵の回収に適しており、爆発時には圧力放散口を通じてエネルギーを逃がし、集塵機本体の破裂を防ぐ構造になっています。

また、逆止弁や水位センサー、排気マフラーなどの多様な安全機能を備えており、火災や爆発のリスクを最大限に抑えた設計が施されています。

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