粉体投入時の飛散による課題とは?集塵機能がついた機器を選んでロスを防ぐ
2024/04/18
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粉体を機器に投入する際に発生する粉塵の飛散は、生産プロセスにおける重要な課題の一つです。この飛散により、原料のロスが増加し、作業場の清潔性や安全性が損なわれる可能性があります。そこで、粉体投入時のロスを最小限に抑えるためには、集塵機能が付いた機器の活用が重要です。集塵機能を備えた機器は、粉塵を効果的に吸引し、作業環境を清潔に保つことができます。
粉体とは?様々な性質を持つ個体の集合体
粉体は、固体粒子と媒体が混ざった集合体であり、その性質は非常に多様です。ここでは、粉体の概要と性質について解説します。
◇粉体の概念
1993年に物理学者の寺田寅彦によって初めて用いられた「粉体」という用語は、固体粒子と媒体が混ざり合った集合体を指し、流動性や閉塞性、凝集性などの特性を有しています。
これらの粒子は、流動性、閉塞性、凝集性などの性質を持ち、お互いに相互作用力が働いています。工学上では、粉状のものを粉体と呼び、砂状でサラサラしたものは粒体と区別されます。これらを合わせて粉粒体と呼ぶこともあります。
◇粉体の特徴
粉体は、その性質上、気体・液体・固体の中間に位置するため、取り扱いが複雑であることが特徴です。粉体は微細な粒子が空間を占有し、外部からの力によって容易に移動するため、気体のようにふわふわと漂うことがあります。
また、一定の条件下では液体のように流れる性質も示し、容器や表面を覆うように振る舞うこともあります。しかし、特定の条件が揃うと、粉体は固体のように静止し、動かなくなることがあります。この複雑な挙動は、取り扱いを難しくする要因の一つです。
粉体の取り扱いにおいては、いくつかの重要な課題が存在します。まず、粉体は取り扱う際に粉塵を発生させやすく、これが異物混入や衛生面での問題を引き起こす可能性があります。したがって、発塵対策が不可欠です。
さらに、粉体の微量計量は非常に難しく、計量精度が確保されないと製品の品質に影響を及ぼす可能性があります。また、粉体設備では粉体が異物と混ざるリスクもあり、特に食品工場などでは食品の安全性に関わる重大な問題となります。
粉体投入時にも注意が必要!粉体投入時における問題
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画像出典先:ジェイピーネクスト株式会社
機器に投入する際に多く粉体が飛散してしまうケースがあります。これにより、いくつかの懸念を引き起こします。まず、粉体が周囲に散逸することで、原料のロスが増加します。この結果、必要な原料が作業場の床や周辺に散らばり、生産プロセス全体の効率が低下します。
さらに、飛散した粉体を掃除するのに時間がかかります。粉体が作業場の床や機器に付着すると、これを清掃する必要が生じます。清掃にかかる時間は生産性を低下させ、労働コストを増加させる要因となります。
また、粉塵が空中に舞い上がることで、作業環境が悪化します。粉塵が作業者の健康を害する可能性があり、作業場全体の清潔さや安全性が損なわれるおそれがあります。
集塵機能が付いた機器がおすすめ
粉体作業において、粉塵の飛散や周囲への汚染を防ぐために集塵機能が付いた機器が重要です。集塵機能を備えた機器は、作業中に発生する粉体を効果的に吸引し、作業場の清潔を維持することができます。
◇フード付きや集塵機能の付いた大型集塵機器を選ぶ
粉体投入作業時に粉が周囲に飛散して汚れる問題を解決するための方法として、集塵フードを設置することがあります。集塵フードで吸引しながら投入することにより、粉体が投入口や排出口から舞い上がるのを防ぎ、作業場の清潔を保つことができます。
さらに、密閉型の容器を使うことで、粉が飛散するのを防ぎます。カバーを取り付け、作業を密閉された状態で行うことで、周囲の清潔を維持できます。また、ホッパーや容器の下部にノッカーまたはバイブレータを設置することで、粉詰まりを解消し、粉の飛散を防ぎます。これにより、粉体がスムーズに排出され、周囲の汚れのリスクが低減します。
◇集塵機能付きのおすすめ機器
集塵機能付きのおすすめ機器をいくつかピックアップしてご紹介します。
アコー:ダクトレス
アコーのダクトレスは、粉体を投入する際に発生する微粉を効果的に吸引しながら回収する装置です。その特長は、まず粉塵の飛散を防止することにあります。作業者が粉体を扱う際に発生する微粉は、この装置によって吸引され、作業環境の清潔さを維持します。
さらに、粉体を投入しながら同時に吸引できるため、作業中も粉で汚れることがありません。また、アコーのダクトレスは内蔵された集塵機によって、回収される粉体のロスを最小限に抑えます。
投入した粉体はすべて有効な原料として利用できるため、原料の無駄を減らすことができます。さらに、装置はフィルターの詰まりを自動でクリーニングし、常に安定した運転を実現します。全溶接された構造により、メンテナンスも容易であり、内部を洗浄する際も手間がかかりません。
この装置の原理としては、粉体が吸い込まれながらホッパー部に入り、同時に舞う微粉は内蔵フィルターに吸い寄せられます。フィルターに付着した微粉は高圧のパルスジェットによって瞬時に払い落とされ、下部のホッパーに集められます。
MONOVATE:ホッパータンク
MONOVATEの集塵フード付きのホッパータンクは、日東金属工業が新たに開発した製品です。このホッパータンクは、粉体原材料を投入する際に発生する粉じんを集塵するためのステンレス容器であり、集塵機や空気輸送機と組み合わせて使用します。
この製品の特長としては、ホッパーサイズに合わせた大きなフードが装備されており、効率的に粉じんを集塵することができます。その結果、粉体を投入した後の清掃時間を短縮し、作業場の衛生環境を向上させることが可能です。
さらに、オプションとして、粉詰まり(ブリッジやラットホール)対策として、ブローディスク、ノッカー、バイブレーターの取り付けが可能です。これにより、粉じんの詰まりを効果的に解消し、製造プロセスのスムーズな進行を支援します。
粉体投入時のロスを防いだ事例を紹介
粉体を投入する際には、ロスを最小限に抑えることが重要です。ここでは、実際の事例を通じて、粉体投入時のロスを効果的に防止した方法を紹介します。
菓子製造メーカーは、粉体の飛散を抑え、原料の無駄を削減するために、ダンピングサーバーを導入しました。このサーバーには内蔵型集塵機が搭載されており、原料投入時の粉塵拡散を最小限に抑えることができます。
この取り組みにより、作業現場の清掃時間が短縮され、作業者の衛生リスクも低減されました。また、内蔵型集塵機によって、投入時の粉塵が効率的に回収され、再利用可能な状態で確保されました。これにより、原料の無駄が減り、廃棄物の量も削減されました。結果として、生産性が向上し、製造プロセス全体の効率性が高まりました。
粉体は、固体粒子と媒体が混ざった集合体であり、その性質は多様です。粉体は気体・液体・固体の中間に位置し、取り扱いが複雑であり、微粒子が空間を占有し、外部からの力によって移動する性質を持ちます。
粉体の取り扱いには粉塵の発生や微量計量の難しさ、異物混入のリスクが伴います。機器への粉体投入時には粉塵の飛散が問題となり、原料のロスや作業環境の悪化を招きます。そのため、集塵機能が付いた機器の使用が推奨されます。
集塵機能を備えた機器は、粉体を効果的に吸引し、作業場の清潔を維持することができます。具体的な機器として、アコーのダクトレスやMONOVATEのホッパータンクが挙げられます。粉体投入時のロスを最小限に抑えるために、内蔵型集塵機を備えたダンピングサーバーの導入事例もあります。
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