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排気装置と集塵機の違いは?導入の効果と類似装置を解説

2024/05/07

産業環境における排気装置と集塵機は、有害物質の管理と作業環境の改善において重要な役割を果たします。局所排気装置は有害な化学物質を発生源近くで排出し、作業環境を改善します。一方、集塵機は空気中の粉塵や有害物質を除去して大気汚染を防ぎます。これらの装置の導入により、作業者の健康被害を防ぎ、工場環境をより安全かつ清潔に保ちます。

集塵機と排出装置の違いは?類似装置を解説

集塵機と排出装置は、産業環境において重要な役割を果たす装置ですが、それぞれ異なる機能と目的を持ちます。ここでは工場等の粉塵対策や作業環境改善に有効な集塵機並びに類似装置についてそれぞれ特徴を解説します。

◇集塵機についておさらい

工場などでの有害物質を回収、分離、無害化するために空気清浄装置には「除じん装置」と「排ガス処理装置」の2種類あり、除じん装置の一種が「集塵機」です。

集塵機は空気中に舞う粉塵やヒュームなどの有害物質を吸引して、工場外への有害物質の排出を防ぎ、大気汚染を防止する目的で使用されています。サイクロン式やろ過式、重力沈降式など、さまざまなタイプがあり、粒子を分離する方法によって使い分けます。

◇局所排気装置

局所排気装置は、作業場や工場などで発生する有害な化学物質を、その発生源付近で集めて排出する装置です。この装置は、有害物質の発生源にピンポイントで設置されるため、作業環境に応じていくつかの形態があります。

囲い式

ドラフトチャンバー型やグローブボックス型と呼ばれるもので、有害物質の発生源をボックスで覆い、装置内で作業が行われる密閉型の排気装置です。

外付け式

スロット型、ルーバー型、グリッド型と呼ばれるもので、有害物質の発生源の近くに設置され、空気を吸い込んで装置内で処理し、排気します。

レシーバー式

キャノピー型とも呼ばれ、天井などに設置されます。このタイプは、空気を積極的に吸引するのではなく、部屋の気流を利用して有害な空気を受け止める装置です。

◇プッシュプル換気装置

プッシュプル換気装置は、有害物質を排気するための装置で、その名の通り、空気を吹き出す「プッシュフード」と気流を吸い込む「プルフード」の二つを組み合わせて使います。この装置は、自動車や鉄鋼の塗装現場、アーク溶接現場、手持ちグラインダーを使う研磨現場などの作業現場で活躍します。

プッシュプル換気装置には、主に密閉式と開放式の2つの種類があります。

密閉式は、周囲を壁で囲んで作業場を密閉し、室内全体に気流を発生させて換気するタイプです。壁で囲むため、設備が大がかりで設置コストも高くなりますが、密閉されているため、有害物質の吸引力が高くなります。

一方開放式は周囲を壁で囲まず、作業場の一部分だけに気流を発生させるタイプです。密閉されていないため、気流の途中に障害物があると適切に換気できない場合もありますので、注意が必要です。

工場内に存在する有害物質とは?適切な集塵が必要な理由

画像出典先:株式会社愛研

工場内で作業する際には、さまざまな有害物質が発生します。これらの有害物質は、作業プロセスや素材の性質によって異なり、例えば粉じん、有機溶剤、化学物質の蒸気、金属の粉塵、および他の化学物質が挙げられます。

◇工場に存在する可能性がある有害物質

「ばいえん(煤煙)」は、工場で燃料などを燃やす際に発生する煙で、主な成分には硫黄酸化物やばいじん、一酸化炭素が含まれ、「粉塵」には、工場の操業によって排出されるもので一般粉塵とアスベストなどの特定粉塵があります。


光化学スモッグの原因としても知られている、「揮発性有機化合物(VOC)」は、有機溶剤として広く使用されていて、塗料やインク、接着剤、洗剤、ガソリンなどに含まれる物質です。


大気汚染防止法で指定された28種類の特定物質は、人の健康や生活環境に被害を及ぼす可能性があると言われ、アンモニアやホルムアルデヒド、硫化水素などが含まれます。

◇工場で集塵が必要な理由

粉じんは、破砕、研磨、解体などの作業によって大気中に放出されます。粒子の大きさは様々で、大きい粒子は呼吸器の表面に付着し、細かい粒子は肺胞まで達してしまいます。


粉じんが多く発生する環境では、長時間にわたって大量の粉じんを吸い込むと、これが体外に排出されずに肺に蓄積されます。その結果呼吸機能が低下し、じん肺や肺腫瘍、ぜんそくなどの健康リスクが高くなります。


集塵機は、作業員の健康被害や大気汚染を防ぐために、空気中の粉じんを減らす役割があります。

局所排気装置・大型集塵機それぞれの用途

局所排気装置と大型集塵機は、産業環境において異なる目的と用途を持つ排気装置です。それぞれが特定の作業環境や条件に対応しており、効果的な有害物質の管理や除去を行います。ここでは、それぞれの装置がどのような場面で使用されるかについて解説します。

◇局所排気装置の用途

局所排気装置は、様々な作業現場で幅広い用途に使用されています。これらの装置は、化学系や生物学系の研究から製造、加工、塗装などの工業系まで、さまざまなジャンルで薬品や粉じんなどの有害物質の対策に活用されています。

例えば、加熱混合作業のように、作業が開放状態で行われる場合には、室内の熱気や臭気が拡散してしまいます。こうした場合、囲い式の排気フードを設置することで、作業性を損なわずに臭気の拡散を抑制し、作業環境を改善することができます。

また、有機溶剤を用いて行う洗浄作業では、有機溶剤蒸気の拡散を防ぐために下方吸引式の排気フードを設置することが効果的です。これにより、作業者の安全を確保しつつ、作業性を考慮した排気設備を確保することができます。

つまり、局所排気装置は、作業現場における有害物質の排出や拡散を防ぎ、作業環境の改善と作業者の健康・安全を確保するために幅広く活用されています。

◇大型集塵機の用途

大型集塵機は広範囲で発生する粉塵やガスを集める役割があるため、工場全体が粉塵やガス、ミストなどで「もや」がかかった状態になる場合、工場全体に対応した大型集塵機を導入することが効果的です

また、規模が大きい工場や大量の粉塵が発生する現場では、長時間集塵をする必要があり、このような場合にも大型集塵機が活躍し、大量の粉塵を長時間集塵できるだけでなく、工場内の粉塵を一括して処理できます。

工場に局所排気装置を導入し改善した事例

工場に局所排気装置を導入することで、作業環境の改善や作業者の健康・安全の向上が実現される事例が数多く存在します。ここでは、局所排気装置を導入した工場での具体的な改善事例について解説します。

◇溶接作業における溶接ヒュームの集塵事例

こちらの工場では、これまでマスクや扇風機を用いて対処してきましたが、工場内の環境悪化が懸念されていました。根本的な解決策として集塵機を設置し、溶接ヒュームを局所排気することが決定しました。

壁際での溶接作業に備え、フレキシブルアームの集塵フードを4箇所に設置し、各箇所には壁際にダクトを通して、作業員の柔軟な動きを考慮します。そして、最長3mのフレキシブルアームを選び、4つのフードの風量を満たす集塵機を設置しています。


フレキシブルアームの採用により作業中の邪魔にならず、作業位置に応じて効果的に吸引できるため、作業環境が改善され、工場内の煙や不快な感じが軽減されました。

◇複数個所で粉塵が発生する化学工場の事例

異なる種類の鉱物系粉じんを一括して集塵する必要があるため、まずは粉じん爆発のリスクを考慮し、爆発対策の施された粉じん局所排気装置を設置しました。また、複数の集塵箇所と多様な集塵方法に対応するため、局所排気装置の設計とデータ収集に時間を費やしました。


そして、局所排気装置の使用状況に合わせて外気を導入し、内部循環しながら、除湿機の適切な運用できるようにして、囲い式フードにはドラフトチャンバーを導入しています。
外付けフードでは、粉じん捕捉点での風速を1.0m/sに保つために、ドーナツ型の外付けフードを採用して、夏の高温高湿での作業環境を整えます。


さらに、夏季の高温高湿度状況に対処するため、除湿機には冷却機能を備えたタイプを選定し、安定した生産環境を確保しました。


産業環境における重要な装置として、集塵機や局所排気装置などが挙げられます。集塵機は空気中の粉塵や有害物質を除去し、大気汚染を防ぐ目的で使用され、サイクロン式やろ過式などのタイプがあります。

一方、局所排気装置は有害物質の発生源近くで排出し、作業環境を改善します。プッシュプル換気装置も有害物質の排出を行いますが、密閉式と開放式の2つがあり、環境に合わせて選択されます。

工場では粉じんや化学物質などの有害物質が発生し、これらの集塵が必要な理由は、作業者の健康被害を防ぎ、大気汚染を抑制するためです。局所排気装置は化学系から製造まで様々な場面で使用され、作業環境を改善し、作業者の安全を確保します。

一方、大型集塵機は工場全体の粉塵やガスを集める役割を果たし、広範囲で発生する粉塵に対処します。局所排気装置の導入により、溶接作業などの場面では作業環境が改善され、粉塵が発生する化学工場では爆発対策も考慮された設備が導入されています。

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