サイクロン集塵機の特長とは？おすすめメーカー2選をご紹介 | 【大型集塵機完全ガイド】おすすめ集塵機メーカー2選

サイクロン集塵機の特長とは？おすすめメーカー2選をご紹介

2023/04/24

集塵機には、サイクロン集塵機とバグフィルター集塵機があります。バグフィルター集塵機はフィルターを使用して粉塵を回収するため、理解しやすいかもしれませんが、サイクロン集塵機については「どのような仕組みで粉塵を取り除くのか分かりにくい」と感じる人も多いかもしれません。そこで、サイクロン集塵機の仕組みや特徴、用途、そしておすすめのサイクロン集塵機についてご紹介します。

サイクロン集塵機の特長とメリットとは？

サイクロン集塵機は、空気を回転させた際に生じる遠心力を利用して、粉塵をサイクロンの筒の壁にぶつけて集める構造になっています。遠心力がかかると通常は落ちない粉塵もぶつかって落ちる現象を利用しています。初期から使われているタイプの集塵機で、シンプルな構造であるため点検や修理が容易であり、比較的安価に導入できます。集塵機の大きさに対して多量の集塵ができますので、粉塵の量が多い環境での作動が効率的です。5μm程度の粒子まで捕集可能で、特に、粉塵の粒子が10～12μm以上なら確実に捕集できます。バグフィルターの集塵機が使えない高温環境でも作動可能ですので、熱処理を行う工場やボイラーなどにも導入できます。

サイクロン集塵機の用途

旋回気流を利用したサイクロン集塵機は、重い粉塵を集めるのに適しています。大風量を処理できるため、排気を伴う工場でも有効です。また、熱せられた粉塵でフィルターが燃えることを防ぐために、サイクロン集塵機をバグフィルター集塵機の前段に設置して火災対策をすることもあります。
サイクロン集塵機は、製品に不純物が混入しないようにするための集塵と、工場内の環境や工場外の環境負荷を抑えるための用途があります。化学製品や食品の製造工程では、製品に粉塵が混じらないように集塵が必要です。一方で、金属粉や木粉、レジンなどの粉塵の集塵は、工場内の環境のために必要です。また、焼却炉排気やボイラー排気、乾燥機排気の集塵は、廃棄物処理場などで環境負荷を抑えるために行われます。

サイクロン集塵機のデメリットとは？

クリーンルームが必要な工場や有害物質を含む排気塔などでは、0.1μ以下の小さい塵も取り除かなければなりません。しかし、サイクロン集塵機は、塵にある程度の重みがないと集めることができず、5μを切るような細かい粉塵は集塵後のキレイな空気と一緒に排気されてしまいます。サイクロン集塵機単独ではクリーンルームで要求される基準に応えられませんので、バグフィルター集塵機を使うか、サイクロン集塵機とフィルターを併用する必要があります。
サイクロン集塵機は小型になるほど細かな粉塵を集められますが、小型になるほど処理できる空気の量が少なくなります。また、空気を吸引してサイクロンで旋回させて塵を落とした空気を廃棄する構造の中でわずかでも空気の漏れ込みがあると、集塵機能が一気に低下してしまいます。集めて除去する塵の大きさに合わせた集塵機を制作するための計算が難解で、設計が簡単にできないこともサイクロン集塵機のデメリットです。

サイクロン集塵機のおすすめ2選をご紹介！

集塵設備を必要としている食品工場、化学工場、精密機器工場などの工場や、ごみ処理場などの施設では、その業種によって集塵の考え方が大きく異なります。サイクロン集塵機の規格製品メーカーや、依頼によりサイクロン集塵設備を構築する環境改善設備構築メーカーなどがあります。それぞれおすすめのメーカーをご紹介します。

株式会社アコー｜マルチサイクロン

株式会社アコーのマルチサイクロンは、強力な旋回気流が特徴のサイクロン集塵機です。標準ガス処理量4㎥/分の6MC型と、大型で14㎥/分処理できる10MC型があります。側面から吸引された含塵ガスは、角度の付いたガイドベーンを通過して気流が加速され、サイクロン内では強力な下降旋回気流がつくられます。サイクロンで集塵したあとの清浄な空気は、サイクロン中心部を旋回上昇して、反対側の側面上部から排気する構造です。堆積しやすい粉塵を扱う場合には、同社のエアジェットクリーニング装置を内蔵可能で、運転しながら堆積物を自動でクリーニングできます。取り除かれた粉塵は、コニカル下部の開口部よりホッパーへ排出します。高い集塵効率を維持するためには、空気を漏れ込ませない同社のダブルフラップダンパーを組み合わせるのがおすすめです。

株式会社デュコル｜サイクロン集塵設備構築

デュコルは、用途に応じて最適なサイクロン集塵設備を設計しています。粉塵の発生源を囲むことで設備の規模を小さくし、初期費用を削減したり、消費電力や維持管理費などのランニングコストを抑えたりすることができます。粉塵の種類や量、含塵ガスの規模などを聞き取り、業種による作業性にも配慮して最適なサイクロン集塵設備を提案します。
集塵設備はフード、ダクト、機器のバランスが重要です。デュコルのスタッフには環境設備の専門家や有資格者が揃っているため、持っている知識や技術をフルに活用し、集塵設備だけでなく工場全体の空気の流れや排気を考慮して、安全かつ迅速に構築できます。

サイクロン集塵機は、遠心力を利用して粉塵を分離するシンプルな構造で、点検や修理が容易で比較的安価に導入できます。大風量を処理でき、粉塵の粒子が10～12μm以上なら確実に捕集可能です。高温環境でも作動できるため、熱処理工場やボイラーにも適しています。

主な用途は、重い粉塵を集めることが得意で、排気を伴う工場での使用が多いです。また、サイクロン集塵機をバグフィルター集塵機の前段に設置し火災対策として利用されます。デメリットとしては、5μm以下の微細な粉塵の捕集が難しく、空気の漏れ込みによる機能低下もあります。

おすすめ製品には、株式会社アコーのマルチサイクロンがあり、強力な旋回気流で高い集塵効率を誇ります。デュコルは用途に応じた最適なサイクロン集塵設備を設計し、初期費用やランニングコストを抑える提案を行います。