大型集塵機でエアロゾルを除去できる?対応可能機種もご紹介
2024/05/30
エアロゾルは自然発生する花粉やほこりだけでなく、製造現場の粉塵や煙としても発生します。これらは大気中に飛散する100μm以下の粒子で、特に2.5μm以下のものはPM2.5として知られ、大気の清浄度の指標となっています。
製造現場では、エアロゾルが労働環境に悪影響を与えるため、大型集塵機の使用が一般的です。これらの集塵機は、微粒子を効果的に捕集し、職場環境の改善に貢献しています。
目次
エアロゾルとは
エアロゾルは、自然の中で発生する花粉やほこりなどに限らず、製造現場で粉塵や排煙としても発生しています。このエアロゾルとはどのような粒子なのでしょうか。
◇エアロゾルとは
エアロゾルとは花粉やほこり、砂塵、カビの胞子、粉排ガスから発生する煤など大気中に飛散している100μm以下の粒子の総称です。近年ニュースなどで取り上げられるPM2.5の飛散量予測は、2.5μm以下のエアロゾルの飛散量によって提示されている数値であり、大気の清浄度の指標とされています。
そしてエアロゾルの中でもナノ粒子と呼ばれる100nm以下の細かな粒子は、高性能フィルターであるHEPAフィルターなどを用いても除去することができない場合があります。
エアロゾルは人体への影響もあることから、製造現場においては労働環境の改善として大型集塵機などの採用によって対策を行うことが課題となっています。
◇製造現場におけるエアロゾル
製造現場では粉塵やヒューム、煙、ミストといった生成過程の違いやその性状によって発生するエアロゾルが問題となります。しかしそれだけに限らず、製造現場では物を燃焼させる際に発生する排煙やスモッグといったエアロゾルにも注意が必要です。
新型コロナウイルスの感染が拡大していた時期は、エアロゾルも主要な感染経路と見られており、感染防止対策を重視していました。しかし、エアロゾルによる感染は、他の経路と比べて視覚的に捉えにくいため、その対策や再発防止の取り組みが困難であることが課題とされています。
エアロゾルが与える人体へのリスク
エアロゾルは製造ラインにおける加工工程で発生するほか、人体から発せられる咳やくしゃみなどによって飛沫しています。エアロゾルは肺疾患やウイルス感染といった人体への悪影響がリスクとしてあるため注意が必要です。
◇じん肺症リスク
オイルやによってコーティングされた金属が加工される工程や、潤滑剤を使用する工程においては、これらの油が空気中にエアロゾル化して浮遊する可能性があります。特にエアロゾル化したオイルや潤滑剤を吸入してしまうことで、従業員が咳や呼吸困難などの肺疾患を起こしてしまうリスクがあります。
◇感染症リスク
日常で私たちが無意識に行う咳やくしゃみによってもエアロゾルが発生し、これらは感染症のリスクとなるため注意が必要です。
まず咳やくしゃみをすることで5μm以上の大きさである飛沫が発生します。この飛沫から水分が蒸発し、5μm以下の細かい飛沫核として空気の流れにより広範に飛散するのです。
口から出て飛沫した唾液の大きさは5μm以上であるのに対し、ウイルスを持つ飛沫核となったバイオエアロゾルは細かく重さが軽いので遠くまで空気に乗って広がっていくのが特徴です。
このようにバイオエアロゾルと呼ばれるものは、飛沫よりさらに長く遠くまで飛散するため、近くにいる人だけでなく作業所全体において感染リスクが高まります。
エアロゾルは大型集塵機・清浄機で除去できる。
人体被害のリスクとなるエアロゾルを除去するには100μm以下の粉塵も回収できる大型集塵機・清浄機を採用することが効果的です。また大型集塵機などを採用する際にはそれぞれの機器の特徴を理解した上で最適なものを選ぶ必要があります。
◇ウエットスクラバー(アコー)
アコーのウエットスクラバーは集塵効率が高く、シングルスクラバーでは8μm粒子を100%捕集、ダブルスクラバーでは1μm粒子を99%捕集することが可能です。また構造はフィルターやデミスターがないのが特徴であり、目詰まりをしないことから風量が低下しないのが特徴です。
さらにガスによって水を巻き上げる構造であるためポンプが不要であり、火災や爆発のリスクがないのもポイントでしょう。
◇エアロゾルコレクター(アマノ)
ウイルス捕集に特化した空気清浄機であるアマノのエアロゾルコレクターは、毎分15㎥の大風量による吸引が特徴です。これにより0.1μmの細かな微粒子を 99%捕集し、空気をクリーンな状態へと浄化することができます。
また金属製の電気集塵式電極によって吸着させることから、湿気を含んだエアロゾルでも目詰まりを起こすことなく捕集することが可能です。
大型集塵機で効率と職場環境を改善
製造現場において大型集塵機を導入することは、製品の品質を保つために必要不可欠であるといえるでしょう。また大型集塵機によって空気が浄化されることで従業員にとってより快適に働ける環境となります。
◇品質低下につながる粉塵を回収
エアロゾルは吸入することによる人体被害だけでなく、製品の品質低下にも繋がってしまうのが大きな問題です。例えば液晶パネルの生産においては微量でも粉塵が付着するだけでも不良品となってしまいます。
このように製品の品質に関わる粉塵を大型集塵機によって回収することは、製品を常に安定した品質で製造するために欠かせないでしょう。また粉塵によって不良品となるリスクが低減することでより効率的な製造が可能となります。
◇従業員の健康を維持・促進
2015年以降、世界の持続可能な開発目標とされるSDGsでは「すべての人に健康と福祉を」というスローガンを掲げており、従業員の健康維持と促進が求められています。そんな中で大型集塵機を採用することは、従業員がエアロゾルによる健康被害を受けることなく製造作業を行うための環境改善に繋がります。
また大型集塵機の採用に合わせて、集塵機による騒音、火災や爆発への対策などを施すことでより従業員が安心かつ快適に働ける環境づくりが実現できるでしょう。
エアロゾルは、自然由来の花粉やほこりだけでなく、製造業のプロセスから発生する粉塵や煙としても現れます。これらは大気中に浮遊する100μm以下の微粒子であり、特にPM2.5として知られる2.5μm以下の粒子は、大気の清浄度を示す重要な指標です。
また、エアロゾルによるウイルス感染も懸念されます。エアロゾルは目に見えにくいため、対策が困難とされていますが、効果的な予防策の策定と実施が重要です。
製造業の現場では、これらのエアロゾルが作業環境に悪影響を及ぼすため、労働条件の改善に向けた対策が求められています。その解決策として、大型集塵機の導入が広がっています。
これらの集塵機は、細かい粒子を効率的に捕集し、より安全で清潔な作業環境を保つのに役立っています。また、これにより作業場の空気質が向上し、従業員の健康と生産性が促進されることから、企業の持続可能な運営に寄与しています。