効果絶大!工場での大型集塵機導入事例から学ぶ清潔な作業環境
公開:2023.08.01 更新:2024.12.23
工場での作業環境改善や労働者の健康を守るために、大型集塵機が重要な役割を果たしています。大型集塵機は空気中の有害物質を収集・除去し、環境保護や機械保護にも貢献する装置です。
本記事では、大型集塵機の役割や選び方、工場への導入事例を紹介します。効果的な導入により、安全な作業環境や経済的効果がもたらされ、工場の生産性向上に寄与します。工場オーナーや管理者の方々は、ぜひ専門家に相談して最適な大型集塵機の導入を検討してみてください。
目次
工場で活躍する大型集塵機の役割とは
大型集塵機は、空気中の微細な粉塵やホコリ、チップ、切削粉などを収集・除去する装置です。このような有害な物質は、作業者の呼吸器官に影響を及ぼし、健康被害を引き起こすだけでなく、工場の機械や設備にも悪影響を及ぼす可能性があります。
そこで、大型集塵機は以下のような役割を果たしています。
環境保護
大型集塵機は、排出された有害物質を集めることにより、工場内および周辺環境の大気汚染を防ぎます。粉塵や微粒子の適切な集塵によって、外部への有害物質の放出を抑制し、地域社会への影響を軽減します。
環境規制に従って工場が適切な対策を講じることで、地球環境への貢献が期待されます。
労働安全
大型集塵機によって有害物質が収集されることで、作業者の呼吸器への影響を軽減し、労働環境を改善します。特に、長時間にわたる作業で大量の粉塵が発生する場合、集塵機は労働者の健康を守る重要な役割を果たします。
作業者の健康への配慮は、生産性向上にも寄与することが知られています。
機械保護
工場内の機械や設備は、粉塵や微粒子の堆積によって故障や損傷を受けることがあります。大型集塵機によってこれらの有害物質を取り除くことで、機械の寿命を延ばし、故障率を低減します。
適切なメンテナンスを行い、機械を正常な状態に保つことで、工場の生産性向上に寄与します。
生産性向上
大型集塵機によって有害物質が取り除かれることで、作業者の作業環境が改善されます。快適な作業環境は、作業効率や品質の向上につながります。
また、集塵機によって工場内の清潔さを維持することで、作業員のモチベーション向上にも寄与します。
経済的効果
大型集塵機は初期投資が必要ですが、長期的な視点で見れば経済的なメリットがあります。
労働者の健康被害や機械の故障による生産停止など、大きなコストを発生させるリスクを軽減できるため、経済的効果は大きいと言えます。
大型集塵機の選び方のポイントを解説
工場や製造現場などで有害な粉塵や微粒子を除去し、労働環境を改善するために大型集塵機を導入する際は、適切な機種を選ぶことが重要です。
大型集塵機の選び方には、以下のポイントを考慮することで、効果的な装置の導入が可能となります。
処理能力と適用範囲
まず、大型集塵機の処理能力と適用範囲を確認しましょう。処理能力は、集塵機が一定期間に処理できる粉塵や微粒子の量を示します。
作業現場で発生する粉塵の量や種類を把握し、それに見合った適切な処理能力を持つ大型集塵機を選びましょう。
フィルターの種類と寿命
大型集塵機の中核となるフィルターは、粉塵や微粒子を捕集する重要な部品です。作業現場で発生する粉塵の特性やフィルターの寿命に注目し、最適なフィルタータイプを選びましょう。
また、フィルターの寿命も重要な要素です。フィルターの交換頻度が少ないほどメンテナンスの手間が減り、効率的な運用が可能となります。
騒音レベルとエネルギー効率
大型集塵機は運転時に騒音を発生します。作業者の健康や快適な作業環境を損なわないよう、騒音レベルを確認しましょう。
また、エネルギー効率も重要なポイントです。省エネルギー型の大型集塵機は運用コストを削減し、経済的な運用が可能となります。エネルギー消費量の情報を入手し、効率の良い集塵機を選択しましょう。
メンテナンスとクリーニングの容易性
大型集塵機の適切なメンテナンスは、効果的な運用と長寿命のために欠かせません。選定候補となる機種のメンテナンス情報を確認し、フィルター交換や清掃作業の手間を評価しましょう。
操作やメンテナンスが簡単な集塵機は、適切な管理が行われやすくなります。
耐久性と安全性
大型集塵機は長期間にわたって頻繁に運用されるため、耐久性が求められます。頻繁な故障やメンテナンスは、生産性の低下やコスト増加につながります。耐久性の高い信頼性のある大型集塵機を選びましょう。
また、安全性も重要な要素です。過熱防止機能や火災予防機能など、安全性に配慮した機種を選定しましょう。
コストと性能のバランス
最後に、コストと性能のバランスを考慮しましょう。高性能な大型集塵機は、初期投資が大きい場合がありますが、その分効果的に粉塵や微粒子を除去できます。コスト対効果を検討し、長期的な視点で考えることが重要です。
単純に安価な機種を選ぶだけでなく、工場のニーズに合った適切な大型集塵機を選ぶことで、効果的な環境改善と労働安全が実現できるでしょう。
大型集塵機の工場への導入事例を紹介
工場に大型集塵機を導入するとどのような効果が得られるのでしょうか。ここでは、大型集塵機の工場への導入事例を紹介します。
窯業(ようぎょう)製造ラインにFRP製大型湿式集塵装置を導入
製品の製造工程で発生する酸性ガスの除去が求められる窯業製造ラインでは、廃プラスチックや廃タイヤを燃料として使用する「焼成工程」において粉塵や有害な酸性ガスが発生しています。
これらのガスの性質は酸性であり、温度は約70度と高温であるため、装置の腐食が懸念されていました。
そこで、FRP(無垢材)で製作された強度のある大型湿式集塵装置が導入されました。これにより、酸性ガスを安全に吸収し、バギングフィルターで粉塵を粗取りさせた後に、湿式集塵装置で酸性ガスを吸収する仕組みが実現されました。
また、排水処理設備が整っている環境を活かし、湿式集塵装置の内部の汚れた水は中和せずそのまま排水させることで、メンテナンスの手間を減らす工夫も行われました。
ダイカストメーカーに湿式集塵装置を導入
あるダイカストメーカーでは、ダイカストマシンから発生する離型剤・潤滑剤の油煙が作業現場に漂い、労働環境の悪化が懸念されていました。
乾式集塵機では目詰まりが起きやすく、潤滑剤を注入する際には火災が発生する可能性がありました。
そこで、水の力で集塵し、火災対策にもなる湿式集塵装置が導入されました。フィルターレスなので目詰まりすることなく、水の交換だけでメンテナンスが行えるため、手間が少なく経済的な運用が実現されました。
さらに、水で集塵することで火災対策も強化され、安全な作業環境が確保されました。
食品会社に湿式集塵装置を導入
食品会社では、乾式集塵機を使用していましたが、フィルターの目詰まりが頻繁に発生し、集塵効率が低下していました。
フィルターのメンテナンスが手間であり、粉塵が屋外排気される際に近隣から臭いについてクレームが出る心配もありました。
この問題を解決するために、水の力で集塵と脱臭ができる湿式集塵装置が提案されました。フィルターレスなので目詰まりの心配がなく、水の交換だけでメンテナンスが容易に行えます。
さらに、湿式集塵装置は脱臭効果もあり、食品粉塵に含まれる臭いの除去にも効果的です。内部を透明窓の点検口で確認できる設計も採用され、いつでも装置の状態を確認できるようになりました。
大型集塵機は工場や製造現場で重要な役割を果たしています。環境保護、労働安全、機械保護、生産性向上、経済的効果など、さまざまなメリットがあります。適切な機種を選ぶ際には、処理能力と適用範囲、フィルターの種類と寿命、騒音レベルとエネルギー効率、メンテナンスとクリーニングの容易性、耐久性と安全性、コストと性能のバランスを考慮しましょう。
工場の環境改善と労働安全についてお悩みの場合は、専門家に相談することをおすすめします。専門家は豊富な経験と知識を持ち、最適な大型集塵機の選定や導入に関する助言を提供してくれます。工場のニーズに合った最適な装置を選ぶことで、効果的な集塵と環境改善が実現し、工場の生産性向上にも貢献します。