集塵機の自主点検は義務!外部へ依頼する方法も解説
公開:2024.08.26 更新:2024.12.23
局所排気装置の自主点検は、労働安全衛生法に基づき義務付けられており、点検項目は主にフード、ダクト、電気系統です。点検記録は3年間保管する必要があります。専門知識と時間が必要なため、多くの事業所は点検をメーカーに依頼しています。外部に依頼することで、生産活動に集中でき、コスト面でのメリットも得られます。
点検項目はフード、ダクト、電気系統で、記録は3年間保管が必要です。点検は作業主任者や特定化学物質作業主任者が担当し、適切な教育を受けた者が行います。
目次
集塵機の自主点検とは?
局所排気装置(集塵機)は、有害物質を除去する装置で、労働安全衛生法により、自主点検が義務付けられています。点検項目は主にフード、ダクト、電気系統で、点検した記録は3年間保管しなくてはいけません。
◇自主点検(定期自主検査)は義務
集塵機とは、空気中の粉塵や微細な粒子を空気から分離する装置です。例えば、食品工場では、粉体原料を投入する工程で微細な粉が飛散して原料が無駄になるのを防ぐためや、包装工程で製品を充填する前に異物を除去するためなどに、大型集塵機を使用しています。
局所排気装置は集塵機の一種で、有害物質を屋外に排出するのが目的です。局所排気装置が、粉じん、特定化学物質、鉛およびその化合物、有機溶剤などを取り扱う屋内作業場に設置されている場合、定期的な自主検査を行うことが義務付けられています。
このことは、労働安全衛生法第45条で定められていて、自主点検の頻度は1年以内ごとに1回です。自主点検は、火災の発生の防止、近隣への有機溶剤の飛散、作業者の健康被害の防止などの効果があり、自主点検を怠ると労働基準監督署から是正勧告を受ける可能性があります。
◇記録の保管義務もある
局所排気装置の点検項目は、主に以下の3つに大別できます。また、自主検査をした記録の保管義務もあり、保管期間は3年間です。
・フードの確認
局所排気装置の空気の吸い込み口です。風向・風量・風速などの吸引能力を評価し、適切に機能しているかを確認します。
・ダクトの確認
フードで吸引した作業場内の有害物質を屋外に排出する箇所です。ダクト内に塗料カスなどの異物が堆積していないか、ダクト周りのフランジや接続部に緩みがないか点検します。
・電気系統の確認
多くの局所排気装置は電気で稼働して、電気系統の故障は火災に繋がります。作動時の異音がないか、制御盤・計器類・配線に異常がないか、テスターなどを使用して確認します。
集塵機の自主点検ができる人は限られる
集塵機の自主点検は、誰でもできるわけではなく、作業主任者と特定化学物質作業主任者のみが行います。作業主任者は資格を有する人が選ばれますが、特定化学物質作業主任者は国家資格です。
◇作業主任者
特定の作業において労働災害を防止するための管理・監督を行う者です。労働安全衛生法第14条に基づいて、その作業の種類に応じて選任が義務づけられています。
選任が必要な作業は、労働安全衛生法施行令第6条で石綿作業、有機溶剤作業、酸素欠乏危険作業など、31種類が定められており、これらの作業には業種や事業場の規模にかかわらず選任が必須です。
作業主任者の職務は、労働安全衛生規則など厚生労働省令で定められています。主な職務は、作業の直接指揮、機械などに異常が見られた場合の適切な措置などです。規定された業務を怠ると、罰則が適用されることがあります。
◇特定化学物質作業主任者
特定化学物質とは、労働安全衛生法が定める労働者に健康障害を引き起こす可能性が高いとされる化学物質のことです。これらの物質は第1類から第3類まで分類されており、特に第1類に属する物質は有害性が非常に高く、厚生労働省の許可がないと製造できません。
特定化学物質作業主任者は、特定化学物質から労働者を保護するための専門職で、厚生労働省が認定する国家資格です。現場では、主に作業環境の改善や作業方法の指導などを行います。
作業主任者になる方法
作業主任者になるためには、法令で定められた研修コースを受講する必要があります。作業主任者に必要な知識が学べる研修コースには、局所排気装置等定期自主検査者研修コースと局所排気装置等定期自主検査インストラクターコースがあります。
◇局所排気装置等定期自主検査者研修コース
排気装置を点検する作業主任者になるために、特別な資格は不要です。ただし、研修を受けることが、労働安全衛生法第45条、有機溶剤中毒予防規則といった法令で定められています。
その研修のひとつが、局所排気装置等定期自主検査者研修コースです。研修期間3日間で、定員20名、受講料84,700円(テキスト代、消費税含む)です。
・受講要件
衛生工学衛生管理者の免許、第一種作業環境測定士、第二種作業環境測定士などの資格、または作業経験が必要です。詳しくは、中央労働災害防止協会のサイトおよび受講申込書で確認できます。
◇局所排気装置等定期自主検査インストラクターコース
局所排気装置の自主検査を実施する者を対象とした指導、および教育を行うインストラクターを養成することを目的としているコースです。
自主点検に必要な専門知識や、教育方法の知識が学べます。研修期間5日間、定員20名で、受講料127,600円(テキスト代、消費税含む)です。
・受講要件
衛生工学衛生管理者の免許、第一種作業環境測定士、第二種作業環境測定士などの資格、または検査の実務経験が必要です。詳しくは、中央労働災害防止協会のサイトおよび受講申込書で確認できます。
自主点検を外部へ依頼することも可能
局所排気装置の自主検査には、専門知識と時間が必要で、計測機器の購入に高額な費用もかかるため、メーカーに依頼するのが一般的です。メーカーに依頼すると生産活動に集中でき、コスト面でもメリットがあります。
自主検査と記録の代行サービスは、アマノメンテナンス エンジニアリング株式会社でも提供しています。
◇自主点検をメーカーに依頼するメリット
局所排気装置の自主検査は、研修を受けた人が実施するのが理想とされています。
しかし、実際は、自社で自主点検を行っている事業所は少数で、大手企業でも局所排気装置の自主検査はメーカーに依頼するのが一般的です。その理由は、点検には専門知識が必要で、点検に必要な工数が膨大で時間がかかるからです。
また、作業主任になるために必要な所排気装置等定期自主検査者研修コースと局所排気装置等定期自主検査インストラクターコースの受講料が高額であること、高額な計測機器が必要なことも、理由として挙げられます。
自主点検をメーカーに依頼することで、生産活動に集中でき、コスト面でもメリットが得られます。
◇環境機器定期点検(アマノ)
アマノメンテナンス エンジニアリング株式会社では、定期自主検査と記録の代行を行うサービスを提供しています。点検結果レポートから、消耗品の交換時期や必要数の推測ができ、消耗部品の交換も依頼できるため、局所排気装置を安定した状態で運転できるのが魅力です。
ほかにも同社では、定期的なフィルターを請け負っています。やはり交換後の性能確認も行っているため、メンテナンス後のトラブルを避けられます。
局所排気装置(集塵機)は、有害物質を効果的に除去するための装置であり、労働安全衛生法に基づき定期的な自主点検が義務付けられています。
この点検には、フード、ダクト、電気系統の状態を詳細に確認することが含まれ、点検記録は3年間の保管が必要です。自主点検は、専門の資格を持つ作業主任者や特定化学物質作業主任者が担当し、適切な教育を受けた者によって行われます。
自主点検を適切に実施するためには、高度な専門知識と多大な時間が要求されるため、多くの事業所では、外部の専門メーカーに点検業務を依頼するケースが増えています。外部に依頼することで、事業所は本来の生産活動に集中でき、点検に要する時間やコストを削減できるからです。
また、アマノ株式会社などをはじめ、集塵機メーカーによる点検はより正確で徹底したチェックが期待できるため、装置の安定した稼働が確保され、事故や故障のリスクを低減する効果もあります。結果として、安全で効率的な作業環境の維持に大きく寄与することが可能です。
局所排気装置(集塵機)は、有害物質を効果的に除去するための装置であり、労働安全衛生法に基づき定期的な自主点検が義務付けられています。この点検には、フード、ダクト、電気系統の状態を詳細に確認することが含まれ、点検記録は3年間の保管が必要です。
自主点検は、資格を持った作業主任者や特定化学物質作業主任者が行うことが求められます。これらの専門家は、装置の安全性と効率性を確保するために必要な知識と技術を持ち合わせており、日々のメンテナンスを通じて装置の劣化や不具合を未然に防ぐ役割を担っています。
適切な教育を受けた者が点検を行うことで、労働者の健康被害や環境汚染のリスクを大幅に軽減することが可能です。
自主点検を適切に実施するためには、高度な専門知識と多大な時間が要求されるため、多くの事業所では、外部の専門メーカーに点検業務を依頼するケースが増えています。外部に依頼することで、事業所は本来の生産活動に集中でき、点検に要する時間やコストを削減できます。
また、外部の専門家による点検は、より正確で徹底したチェックが期待できるため、装置の安定した稼働が確保され、事故や故障のリスクを低減する効果もあります。さらに、消耗品の交換時期の予測や、必要な部品の在庫管理など、総合的なサポートが受けられるため、装置の長寿命化と安定した運用が可能になります。