【PR】【大型集塵機完全ガイド】おすすめ集塵機メーカー2選

集塵機で過去に発生した事故とは?事故原因と対策

公開:2024.02.21 更新:2024.12.23

集塵機は粉塵爆発や静電気による火災などの事故が発生しやすい機器です。粉塵爆発の危険性は、粉塵の蓄積と静電気の発生、または作業中に発生した粉塵が吸引されて引火することによって高まります。事故を防ぐためには、定期的な点検やメンテナンス、適切な運用管理、粉塵の定期的な除去などが含まれる必要があります。また、火災対策が施された集塵機を選択することも重要です。

集塵機で過去に起こった事故とは

画像出典:フォトAC

集塵機は作業現場における粉塵や有害物質の除去に役立ちますが、過去には集塵機が関与した事故が報告されています。ここでは過去の事故事例について解説します。

◇電気集塵機の爆発

発生日時は平成30年5月28日の午後8時18分で、電気大型集塵機の爆発に起因した事故が発生しました。具体的には、2基の電気集塵機をつなぐダクト内で粉塵爆発が発生しました。調査の結果、焼却炉の失火から未燃焼の燃料揮発性ガスが発生し、電気集塵機のスパークによって引火し、粉塵爆発が発生したと報告されています。


この事故により、周辺の方々に不快感や懸念を与え、事故を発生させたメーカーはその謝罪の意を表明しています。被害の具体的な範囲や影響に関する詳細な情報は提供されていませんが、一般的な爆発事故に伴うさまざまな影響が懸念されます。

◇集塵機から出火した事故

こちらの事故は、重機部品のショットブラスト作業中に集塵機からの出火が発端となりました。平成5年にも同様の火災が発生し、静電気の可能性が考慮され、接地工事が行われたにもかかわらず、再び同じ集塵機からの出火が起きました。


火災は平成13年1月9日の12時50分頃、千葉市稲毛区で発生し、被害は人的にはなく、物的には集塵機基が焼損するという状況でした。出火原因に関しては、鉄粉を含んだ気流とフィルターの摩擦により帯電した静電気のスパークが、フィルターに着火したことが推定されています。具体的には、接地工事における銅製のアース線の問題や、静電気による出火対策の不備が考えられます。


火災の焼き状況については、集塵機本体やホッパーなどの各部位での詳細な損傷状況が報告されています。検討の結果、火災原因は電気関係、ショットブラスト時の火花、集塵機内での鉄粉の自然発火の3点が挙げられました。特に、静電気による出火が最も有力であり、接地工事の不備が再発防止策の不足につながった可能性が指摘されています。

◇点検時に発生した事故も

事故の発生状況は、木工加工会社A社での作業中に突如として集塵機のダクトから煙が発生し、それを従業員のBさんが発見しました。Bさんは異常を感じ、機械を停止し、同僚のCさんとともにダクト内の点検を始めました。

しかしその後、BさんとCさんがダクト内で倒れ、助けに入ったDさんとEさんも巻き込まれ、合流部分で倒れている3人を発見しました。救助が行われましたが、Bさん、Cさん、Dさんの3人は救助後に死亡が確認されました。


原因分析によれば、まず全員が酸素欠乏症の特別教育を受けておらず、酸素欠乏症についての知識がなかったことが基本的な原因として挙げられます。直接的な原因として、炭酸ガス消火器の作動によりダクト内の炭酸ガス濃度が上昇し、さらに集塵機の動力が切られていたことで換気が不足し、酸素欠乏状態が生じました。

作業員は酸欠症に対して無防備であり、呼吸用保護具を使用しなかったことも致命的な要因でした。また、作業前にダクト内の酸素濃度を測定しなかったことも安全対策の不備とされます。

この事故の結果、Bさん、Cさん、Dさんの3人が死亡し、Eさんも重傷を負いました。集塵機に搭載された炭酸ガス消火設備は作動したものの、酸欠対策の不備が深刻な被害をもたらしました。

集塵機の関する事故の主な原因

画像出典:フォトAC

集塵機に関する事故の主な原因は、粉塵爆発や劣化による静電気が原因の火災などが挙げられます。これらの事故は、過負荷や不適切な保守管理、装置の故障、作業者の過信などの要因が組み合わさることで引き起こされます。

◇粉塵爆発

粉塵爆発は、一定の濃度で可燃性の固体微粒子が空気中に浮遊し、そこに発火源が存在すると引火して爆発を引き起こす現象です。この爆発は、爆風により未燃焼の粉塵が舞い上がり、その粉塵に着火して二次的な爆発が発生する可能性があり、その結果、事故が拡大する危険性が高まります。


粉塵の爆発性は、粒子が細かいほど着火に必要なエネルギーが小さくなり、単位質量あたりの表面積が増えることで空気との接触面積が増加し、酸化速度が大きくなります。微粉の大きさの限界は通常、100~0.1ミクロンとされています。粉塵爆発の要因は、以下の三つの要素から成り立ちます。


まず、爆発下限濃度以上の粉塵が必要であり、これは空気中の粉塵濃度が一定の範囲内でなければなりません。次に最小着火エネルギー(発火源の存在)が爆発を引き起こす要因となります。最後に、空気中の酸素が存在することが重要です。


また、粉塵爆発の限界濃度には爆発下限界と爆発上限界があり、これらの範囲内で発火源が存在すると爆発が発生します。


粉塵爆発の危険性は、粉塵の蓄積と静電気の発生、または作業中に発生した粉塵が吸引されて引火することによって高まります。集塵機を導入する環境では、どのような粉塵が発生し、それが発火性の高いものであるかを正確に把握することが重要です。

◇主に劣化による静電気が原因の火災

集塵機で、静電気が火災の発生原因となるメカニズムは、次のように説明できます。まず、研磨機やショットブラストなどの作業によって生成された粉じんが、摩擦や衝突によって帯電する可能性があります。これらの帯電した粉じんが集塵機に取り込まれ、集塵機内やダクト内で蓄積されます。特に集積した場所では帯電が強くなります。


帯電した粉じんが一定の条件で放電し、これが火花となります。静電気の放電は、帯電した物体とそれに対する別の物体との間で電荷の移動が発生する現象です。この放電によって生じた火花が、周囲にある可燃物や可燃性の粉じんに引火し、火災を引き起こします。


特に、バグフィルターが使用される集塵機では、フィルターに帯電した粉じんが付着し、それが剥離する際に蓄積された荷電が放電して火花が発生する可能性があります。このため、バグフィルターに導線を編み込んでアースを取るなどの対策が取られています。


さらに、火災の発生要因として、研磨機やショットブラストの作業中における帯電した粉じんがダクト内で堆積し、その部分で火花が発生して火災の原因となることも考えられます。湿気などにより帯電しやすくなる条件が整った場合、静電気による火災の発生リスクが高まります。

集塵機で事故を起こさないための対策

画像出典:フォトAC

集塵機で事故を起こさないためには、適切な安全対策が必要です。これには、定期的な点検とメンテナンス、適切な運用管理、粉塵の定期的な除去などが含まれます。また、火災対策が施され集塵機を選択することも重要です。

◇火災対策が施された集塵機を選択する

新東工業の集塵機を例に火災対策が施された集塵機について解説します。まず、可燃物であるダストを残さないために、対向パルスジェットシステムが導入されています。このシステムは、圧縮エアをカートリッジフィルタの上下から衝突させ、フィルタ全体を均等にクリーニングすることで、ダストの残留を防ぎつつ、一定の風量での集塵を実現しています。


次に、火の粉を取り除くために湿式チャンバが採用されています。この装置は水を使用し、事前に吸引される火の粉を確実に取り除きます。飛散しにくい最適設計により、様々な設備に増設が可能で、自動給水ユニットのオプションにより電源がなくても使用できます。

火災の早期検知に関しては、早期火災検出システムが稼働しています。このシステムは、火災によるフィルタの焼損や粉塵の漏れを検知し、異常信号を出力します。また、この検知が行われた場合、延焼を防ぐ措置と連動可能です。


防火性能においても新東工業の集塵機は高い水準を誇ります。難燃性能評価UL94Vで「V-0」相当の実績があり、さらに帯電防止仕様も用意されています。これにより、火災の発生時においても着火源となる静電気の帯電を防ぎ、安全性を向上させています。


安全な消火を実現するため、集塵機には耐熱内部確認窓や消火剤投入口が組み込まれています。耐熱ガラス窓は火災発生時に目視で鎮火を確認するためのものであり、消火剤の投入も点検扉を開けずに行えます。不活性ガス吹込み装置や入口/出口遮断ダンパも備え、二次災害の発生を抑えています。

◇メンテナンスや清掃を定期的に行う

火災の危険性は、集塵機内での粉塵の蓄積に起因しています。定期的なメンテナンスや清掃を実施することで、粉塵の蓄積を防ぐことができます。粉塵の蓄積が少なければ、火花が飛んだ際に引火しにくくなり、火災のリスクが低減します。


また、ダクト内に粉塵が詰まると粉塵爆発のリスクが高まります。定期的な清掃によって、ダクト内の粉塵を取り除くことで爆発の危険性を軽減できます。粉塵爆発は工場全体に被害を及ぼす可能性があるため、定期的なメンテナンスは安全性の向上に寄与します。


さらに、火災事故を防ぐためには、集塵機の使用に際して火花の吸引を防ぐ必要があります。例えば、溶接作業などで火花が発生する場合は、以下の対策が重要です。

まず、アーク発生点から吸引口までの距離を十分にとります。これにより、火花が吸引口に到達する前に安全な距離を確保できます。さらに、吸引口の前部に金属製フィルタなどを取り付け、火花の侵入を防ぎます。隙間のない取り付けが重要であり、隙間があると火花が侵入し、フィルタの効果が損なわれます。


ダクト配管においても注意が必要です。粉塵の堆積を防ぐためには、内部が平坦である金属製ダクトを使用し、最適な配管径と短い配管距離を確保します。さらに、ダクト内部の清掃を容易にするために、各コーナー部には点検窓を設けます。これにより、ダクト内部の清掃が効果的に行えます。


最後に、前処理装置を設けて集塵機本体への火花の到達を防止します。これにより、集塵機が直接火花を吸引することを防ぎ、火災事故のリスクを低減させます。これらの対策を総合的に実施することで、作業現場における火災事故を効果的に予防することができます。

集塵機を安全に設置するための環境条件とは?

画像出典:フォトAC

集塵機を安全に設置するためには、設置する場所の環境を確認しなければなりません。不適切な場所や環境に設置すると、集塵機の故障リスクが高まったり、火災や爆発が発生するリスクも高まったりします。

まず、設置場所の選定が大切です。集塵機は、粉塵が発生する作業現場の近くに配置することが理想的ですが、周囲の作業スペースを妨げないように考慮する必要があります。十分なスペースを確保し、ほかの作業者が自由に動けるように配慮しましょう。

また、設置場所は平坦で安定した床が望ましく、傾斜や不安定な場所では使用しないようにしましょう。不安定な場所に設置すると機械が振動で動いてしまったり、倒れてしまったりする危険性があります。事故を起こさないためにも、安定した場所に設置しましょう。

次に、換気の状態を確認することも大切です。集塵機は、粉塵を効果的に捕集するために、適切に換気できる環境が必要です。とくに、工場内の閉鎖的な空間で使用する場合は、機器内に粉塵がこもらないよう、十分な換気が確保されていることを確認しなければなりません。

また、電源の位置と配線にも注意しましょう。工業用の集塵機は大きな電力が必要であることから、それに耐えられる電源を確保しなければなりません。電源コンセントの種類によっては集塵機を稼働させるほどの電力を供給できない可能性もあり、そういった場合は電気工事が必要となります。

そのほか、電源ケーブルについても注意しなければなりません。作業者の動線に電源ケーブルがあると、ケーブルにつまずいて転倒してしまう可能性があります。また、電源ケーブルが引っ張られて集塵機の電源が落ちてしまうこともあるでしょう。事故を引き起こさないためにも、電源ケーブルの配置についてもしっかりと検討しなければなりません。

さらに、集塵機の運転音にも注意が必要です。集塵機の運転音が大きい場合、作業者が不快に感じてしまったり、ほかの業務に集中できなくなったりしてしまいます。そのため、できるだけ静音性の高い製品を選ぶことをおすすめします。

そのほか、メンテナンスがおこないやすい環境を整えておくことも重要です。フィルターの清掃や交換をスムーズにできるようにスペースを確保しておきましょう。

トラブルを未然に防ぐには定期的なフィルター交換が大切

画像出典:フォトAC

集塵機のフィルターは、粉塵を効果的に捕集するための重要な部品です。そのため、集塵機本来の性能を発揮するためにも、フィルターを定期的に清掃したり、交換したりする必要があります。

フィルターが詰まると集塵機の性能が低下します。詰まったフィルターは、粉塵をうまく捕集できず、逆に粉塵が排出される原因となります。そのまま放置していると、作業環境が悪くなり、健康に悪影響を及ぼす可能性も否めません。定期的にフィルターを交換することで、集塵機が常に最適な性能を発揮できるようになり、工場内を清潔に保つことができます。

また、フィルターの交換を怠ると、集塵機自体の故障を引き起こすリスクも高まります。フィルターが詰まることで、集塵機に過剰な負荷がかかってしまい、モーターなどの部品に損傷を与えることがあります。

集塵機が故障すると、高額な修理費用がかかるだけでなく、稼働停止による業務の遅延も引き起こしかねません。定期的にフィルターを交換することで、機器の寿命を延ばし、長期的なコスト削減につながるでしょう。

さらに、フィルターを交換することで、粉塵の捕集効率を維持できます。新しいフィルターは、微細な粉塵を効果的に捕集することが可能です。正常に集塵機が稼働すれば、作業者の健康を守ることができ、労働環境を改善することが可能になります。とくに、長時間粉塵にさらされる環境では、フィルターの管理が不可欠といえるでしょう。

アフターフォローが充実している集塵機メーカー2選

画像出典:フォトAC

火災や爆発などの事故を引き起こさないためにも、定期的なメンテナンスが必要です。そのためには、集塵機を導入したあとも、しっかりとアフターフォローしてくれるメーカーを選ぶことが大切です。

ここでは、アフターフォローが充実している集塵機メーカー2選について詳しく見ていきましょう。

株式会社アコー

株式会社アコーは、オーダーメイドに対応した集塵機メーカーとして、多様なニーズに対応しているのが特徴です。とくに、業界ごとの特性や作業環境に合わせたカスタマイズを得意としており、それぞれの具体的なニーズに応じた最適な提案をしてくれるのが魅力です。

株式会社アコーの最大の強みともいえるのが、知識とノウハウです。木工、金属加工、食品製造など、さまざまな分野に対応するため、集塵機の設計においては各業界特有の粉塵の特性を考慮した仕様を提案してくれます。

粉塵の種類や発生量に応じた最適なフィルターや吸引性能をカスタマイズできるので、自社に合った集塵機を導入することができ、効率的に粉塵をコントロールすることが可能です。

さらに、株式会社アコーは顧客との密接なコミュニケーションを重視しています。最初の相談から設計、納品、さらにはアフターサービスに至るまで、顧客の意見や要望をしっかりと反映できる仕組みが整っています。こういったきめ細かな対応により、実際の使用環境でどのように機能するかを細かく考慮した効果的な集塵機を提供できるのです。

また、株式会社アコーは高い技術力を持っており、先進的な製品開発にも力を入れています。最新のフィルター技術や制御システムを取り入れた集塵機を提供することで、性能の向上とエネルギー効率の改善を図っています。オーダーメイドの集塵機については、それぞれのニーズに合った仕様を提案してくれるだけなく、高性能な集塵機を提案してくれるでしょう。

なお、自社工場を持っており、鉄板1枚から加工、製造をおこなっているのも株式会社アコーの特徴のひとつです。

少しでもお悩みを抱えている方は、アコーに相談してみてはいかがでしょうか。

ツカサ工業

ツカサ工業は、集塵機メーカーとして高い評価を受けている企業で、とくに業務用の集塵機に強みを持っています。その最大の特徴は、顧客の多様なニーズに応じた製品設計と、優れた性能です。

ツカサ工業の集塵機は、実際の使用環境をしっかりと考慮したうえで設計されています。たとえば、木工や金属加工、化学工業など、さまざまな業界に特化した集塵機をラインナップしています。各業界のニーズに合わせた製品を提供することで、より効果的な粉塵管理を実現しているのが特徴です。

また、ツカサ工業は使いやすさにも配慮しているといえるでしょう。操作性が高く、メンテナンスが容易な設計が特徴で、作業者にとって使いやすい集塵機となっています。とくに、フィルターの交換や清掃がスムーズにおこなえるので、長期間にわたって安定した性能を維持することが可能です。

さらに、ツカサ工業は環境にも配慮しています。エネルギー効率の高い設計を取り入れた集塵機を展開しており、運転コストの削減だけでなく、環境負荷の低減にも寄与しています。

そのほか、ツカサ工業はアフターサービスにも力を入れているのが魅力的です。製品の導入後も顧客との関係を大切にしています。定期的な点検やメンテナンスのサポートを通じて、長期的なパートナーシップを築いているといえるでしょう。


集塵機の使い方を誤ると、火災や粉塵爆発といった事故を引き起こす可能性があります。また、設置方法や設置環境によってトラブルにつながるケースもあります。

重大な事故を未然に防ぐためにも、定期的に点検やメンテナンスをおこなうことが大切です。また、アフターフォローが充実しているメーカーを選べば、導入後も安心してメンテナンスを任せられるでしょう。

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