大型集塵機は定期的にメンテナンスを実施してトラブルを防ごう!
公開:2023.11.29 更新:2024.12.23
大型集塵機は、工場や建設現場などで大量の粉塵を効率的に処理するために欠かせない装置です。しかし、大型集塵機のメンテナンスを怠った場合、集塵効率の低下や火災のリスクなど深刻な問題が生じる可能性があります。
工場や建設現場における安全性や効率性を確保し、トラブルを未然に防ぐために、大型集塵機の定期的なメンテナンスが欠かせないことが示唆されています。
目次
大型集塵機にメンテナンスは必須!その理由とは?
工場や建設現場などで発生する大量の粉塵を効率的に処理するために大型粉塵機が活用されます。大型粉塵機が継続的に稼働するためにも定期的なメンテナンスが必要です。ここで、メンテナンスが必須な理由について解説します。
集塵効率の低下
メンテナンスを怠ると、集塵機の集塵効率が低下します。集塵効率が低下すると、粉塵が空気中に滞留し、作業員の健康に害を及ぼす恐れがあります。粉塵吸入による肺腫瘍や喘息などの呼吸器疾患の発症リスクが増加します。
作業者の健康保護
作業者の健康を守り、工場内を安全な環境に保つためにメンテナンスが必要です。粉塵を効率的に収集し、作業環境を清潔かつ健康的に維持するためには、集塵機の適切なメンテナンスが不可欠です。
火災のリスク
メンテナンスを怠ると、集塵機のダクト内に粉塵が溜まります。粉塵が溜まった状態で金属研磨などの作業を行うと、出た火花が粉塵に引火し、火災の危険性が高まります。火災の発生リスクを最小限に抑えるためにも、メンテナンスは欠かせません。
粉塵爆発の防止
粉塵が空気中に滞留した状態であれば、粉塵爆発の危険性が存在します。粉塵爆発は非常に危険で、集塵機を定期的にメンテナンスして粉塵の蓄積を防ぐことが、この危険を回避するための重要な対策です。
不良品の削減
メンテナンスを怠ると、集塵機の性能が低下し、排気が効率的に循環しなくなります。排気の不適切な循環により、工場内の気圧が低下し、外部からのごみや粉塵が侵入します。これが原因で不良品が発生するリスクが高まります。
集塵機を定期的にメンテナンスすることで、排気を効率よく循環させ外部からのごみの侵入を防げます。
大型集塵機でよくあるトラブルとは?
画像出典:フォトAC
大型集塵機は、工場で作業中に常に稼働し工場内の空気を清潔な状態に保っていますが、
常に稼働しているため、破損や故障といったトラブルが起きます。トラブルの発生に気が付くためには、目視だけでなく、具体的な数値の確認や音、臭気の確認が必要です。よくあるトラブルについて以下で解説します。
集塵機の吸引力の低下
フィルターが詰まったり、パッキンが損傷したり、配管から空気がもれたりすることにより発生するトラブルです。吸引力の低下はさまざまな原因から起こるため、日頃から集塵機の状態を確認しておくことでトラブルを防げます。
また、工場での作業の終わりに吸引性能のチェックを必ず行うことで吸引性能の低下を早期発見できます。
粉漏れ
粉漏れとは、フィルターやガスケットの破損により、粉塵が集塵機の外に漏れてしまうケースがあります。粉漏れは、集塵機の集塵効率を低下させるので発見された場合は直ちに対応すべきです。
回転機器の異常
集塵機から異常音や振動が発生した際にもトラブルが起きている可能性があります。集塵機に付帯している回転機器になんらかの異常が発生し、そこから異常音や振動が発生します。原因は、軸が損傷していたり、回転部に異物が挟まっていたりするなど多岐に渡ります。異常音や振動が発生した際には、回転機器を確認して異常がないか点検をすべきです。
燃焼物の混入
また、集塵機の使用により異臭が発生している場合にも異常の可能性があります。集塵機内部の粉塵に燃焼物が混入し、フィルターが焼け焦げて損傷している場合があるため確認が必要です。
大型集塵機が故障したら?トラブルへの対処法
大型集塵機が故障した場合、工場内の環境のためにも迅速な対応が求められます。
集塵機のトラブルが起きた際にまず行うことは吸引力が低下しているかどうかの確認です。
測定器を取り付けて、値をチェックして通常時と比べて変化があるかを確かめます。値に変化があるようであれでフィルターの清掃を行うことで、吸引力が回復することがあります。
清掃の際には、ファンや配管内の異物、そして配管自体の緩みや破損がないかも確認すべきです。特に配管内部には粉塵や油などが付着しやすいので、点検口を設置すると定期メンテナンスが行いやすくなります。
また、異常音や振動が発生している際には、回転機器を確認します。ダンパーが開いている角度を調節することで振動や異常音を抑えられます。
トラブルが起きたときに対処するだけでなく、日頃からメンテナンスを行うことでトラブルを防止できます。
特に、集塵機のフィルターは長期間にわたり使用することで劣化し、目詰まりが起こります。
フィルターの目詰まりによる吸引性能の低下は発見されにくく、騒音や異音に気づいたときにはすでに集塵効率が低下し、工場内に粉塵が滞留していることも考えられます。
工場内の衛生環境を良好に保つためには、劣化する前にフィルターを定期的な交換をすべきです。
フィルターの交換時期は機種によって異なるため、交換時期より早めに交換するような計画をするとフィルターの劣化を防げます。フィルターの交換や清掃を業者に委託することも、メンテナンスの方法の一つです。
大型集塵機のメンテナンスの必要性や、よくあるトラブル、トラブル発生時の対処法について解説しました。大型集塵機のメンテナンスは必須です。なぜなら、メンテナンスを怠ると集塵効率が低下し、粉塵が空気中に滞留して作業員の健康に害を及ぼす可能性があります。また、粉塵が溜まることで火災のリスクが高まり、粉塵爆発の危険性も存在します。
さらに、メンテナンスを怠ると排気の循環が効率的でなくなり、不良品の発生リスクが高まります。従って、定期的なメンテナンスによってこれらのリスクを最小限に抑え、工場内の衛生環境を維持することが不可欠です。
大型集塵機を検討する際は、メンテナンスやトラブルについても理解を含め、適切な対処をすることが重要です。また、メーカーによってメンテナンスやトラブル発生時のサポートが異なる為、導入時に十分に確認するようにしましょう。