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ばいじんを除去して大気汚染を防止!大型集塵機の導入の効果とは

公開:2024.04.18 更新:2024.05.01

大気汚染を防止するためには、ばいじんを効果的に除去することが重要です。その一つの手段として、大型集塵機の導入が注目されています。大型集塵機は、工場や施設などで発生する微細な粒子を吸引し、集める装置であり、その効果は排ガス中のダスト濃度や微粒子の集塵効率を向上させ、大気汚染の軽減に貢献します。

ばいじんとは?粉塵との違いと主な種類

ばいじんは焼却によって発生し、有害物質を含む可能性が高い微粒子であるのに対し、粉じんは物の破砕や堆積によって発生し、ばいじんと比べて有害物質の含有量や発生源が異なります。

◇ばいじんの特徴と粉塵との違い

ばいじんは、物を燃やした際に発生する微粒子であり、煙やスス、チリなどが含まれます。この微粒子は大気汚染の原因となることがあります。特に、ばいじんは大気汚染防止法や特定施設において発生する場合があり、集じん施設によって収集されます。

また、ばいじんには重金属やダイオキシン類などの有害物質を多く含む場合があり、それらが健康や環境への悪影響をもたらす可能性があります。一方、粉じんは、物を破砕したり堆積したりすることによって発生する微粒子です。

粉じんもチリやホコリなどを含みますが、ばいじんと異なり、焼却によって生じたものではありません。粉じんも大気汚染の原因となることがありますが、ばいじんと比べて発生源や性質が異なります。

◇ばいじんの主な種類と発生原因

ばいじんは、燃焼や機械の運転などさまざまな活動から発生します。具体的には、廃砂ダストや電気炉ダストなどの工場での作業や、ディーゼルエンジンから排出される「ディーゼル排気微粒子」(DEP)などが含まれます。これらの微粒子は大気中に放散され、視界を妨げたり、大気を汚染したりします。

DEPは、炭素や灰分から成る固体粒子で、未燃燃料や潤滑油、不完全燃焼生成物などから生じます。その粒径は0.1~0.3μm程度で、大気中で浮遊しやすい性質を持っています。

ばいじんは主に人為的な活動によって発生しますが、自然起源のものとしては、黄砂や火山灰などがあります。これらの微粒子は、大気中でさまざまな影響を及ぼし、人々の健康や環境に影響を与える可能性があります。

ばいじんが問題となった背景

画像出典先:フォトAC

ばいじんが問題となった背景は、戦後の日本の急速な産業化と経済成長に伴う大気汚染の深刻化にあります。昭和30年代初期には、重化学工業化が進み、特に大都市部である東京や大阪などで大気汚染が深刻化していました。

この時期には、大気汚染対策として自治体レベルで公害防止条例が制定され、一定の効果を発揮していましたが、都市の急速な発展と共に、大気汚染が地域を超えて拡大し、国家的な対策が必要とされるようになりました。


このような状況の中、昭和37年にばい煙規制法が制定されました。しかし、この法律には自動車排ガスへの規制がなく、また、燃料の変化により硫黄酸化物の排出量が増えたことなど、新たな問題に対応するための制度改正が求められていました。


その後、昭和43年に大気汚染防止法が制定され、昭和45年の公害国会において大幅に改正され、現在の法制度の原形となりました。この法律では、全国一律の排出基準のほかに、都道府県が地域の実情に応じて上乗せ基準を定めることができるようになり、排出基準の違反に対する罰則も設けられました。これにより、法的な拘束力が強化され、大気汚染対策がより効果的に進められることとなりました。

ばいじん除去には集塵機が有効

ばいじんは、工場や施設などで発生する微細な粒子であり、大気中に放出されると環境汚染や健康被害の原因となります。そのため、効果的な除去手段が求められています。その一つが、集塵機の活用です。

◇集塵機を使用したばいじん除去の目的

集塵機は、微粒子の発生を管理するために使われます。主に、ばいじんが発生する施設から排出される粉塵ガスから微粒子を取り除くことが目的です。集塵機は、一次処理装置と最終処理装置の2つの部分で構成されています。

一次処理装置は大きな微粒子を粗く分離し、最終処理装置は微粒子を取り除いて大気汚染防止法の排出許容濃度に達するようにします。最終処理装置として使用される集塵機は、通常、粉塵ガスの温度よりも低い温度で動作するため、ガスを冷却する必要があります。

また、集塵機は粉体を扱う産業装置でも使われます。そのため、日本全国で数十万台が稼働していると推定されています。

◇集塵機設置で期待される効果

集塵機を設置することで、ばいじんを効果的に除去し、大気汚染を防止する効果が期待されます。集塵機は、工場や施設などで発生する粉じんやばいじんを吸引し、集める装置です。これにより、ばいじんが大気中に放出されることを防ぎ、周囲の空気の清浄化に貢献します。

バグフィルタ(ろ過式集塵装置)は、燃焼炉やボイラーなどから排出される排ガス中のばいじんを効果的に除去し、大気汚染を防止するための高性能な集塵装置です。同時に、建屋内でも優れた清浄化機能を提供し、作業環境の改善と作業者の健康を促進します。

ごみ焼却施設で検証した大型集塵機の効果

ある研究が、廃棄物焼却炉からの排出物が環境に与える影響を評価するために実施されました。この研究では、実際の焼却施設で大型集塵機の有効性が検証されました。その結果、集塵機が排ガス浄化に効果的であることが示されました。


まず、排ガス中のダスト濃度が評価されました。集塵機を導入することで、排ガス中のダスト濃度が大幅に低下しました。集塵機を通過する前のダスト濃度は1300~2000mg/Nm3でしたが、排煙から排出される際には0.007~0.31mg/Nm3にまで減少しました。この差異は非常に著しく、集塵機が排ガス中のダストを効果的に除去していることを示唆しています。


さらに、粒子のサイズごとに捕集された結果から、集塵機導入前後で粒子数や濃度に顕著な変化が見られました。集塵機を通過することで、微粒子や有害物質が効率的に除去されていることが確認されました。


集塵効率も評価され、集塵機を導入することで平均して99.99%の高い集塵効率が得られました。これは、集塵機が排ガス中の微粒子をほぼ完全に除去していることを示しています。
この研究の結果から、大型集塵機が廃棄物焼却施設における排ガス浄化に非常に有効であり、環境への影響を軽減することができることが明らかにされました。


集じん施設によって収集されるばいじんと粉じんは、発生源や性質が異なります。ばいじんは焼却によって発生し、有害物質を含む微粒子であり、工場やディーゼルエンジンから排出されるものなどが該当します。

一方、粉じんは物の破砕や堆積によって発生し、ばいじんと比べて有害物質の含有量や発生源が異なります。集じん施設を導入することで、ばいじんや粉じんを効果的に除去し、大気汚染を防止することが期待されます。

集じん機の効果は実証されており、排ガス中のダスト濃度や微粒子の集塵効率が顕著に向上することが確認されています。大型集じん機の導入は、廃棄物焼却施設などでの排ガス浄化に非常に有効であり、環境への影響を軽減することが期待されています。

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