大型集塵機を設置するなら屋外に!屋外に設置する際の課題と対策
公開:2024.03.22 更新:2024.04.01
工場内で大量の粉塵が発生する際、大型集塵機の設置は屋外が適しています。しかし、屋外設置にはいくつかの課題があります。風雨や腐食などの自然要因による影響や、騒音問題などが挙げられます。これらの課題に対処するためには、適切な騒音対策や定期的なメンテナンスが必要です。屋外設置には注意が必要ですが、適切な対策を講じれば効果的な集塵が可能です。
目次
工場内に大量の粉塵が発生!大型集塵機を導入したい
有害物質が含まれた粉塵などが工場の外へそのまま排気されることで、大気汚染の一因となる場合があります。そのようなことを防ぐため、工場内では集塵機によって排気前の空気を吸引し、有害物質と空気を分離させることが必要です。
そんな集塵をする上で、大型集塵機は工場全体の集塵や大量の集塵が必要な場合に活躍します。まず工場全体が粉塵やガス、ミストなどによってもやがかかっている場合には、大型集塵機の設置が効果的です。
大型集塵機は広範囲の粉塵を集める役割を果たすため、作業場の環境の改善に繋がるでしょう。また大規模な工場や粉塵が大量に発生する現場においては、集塵を長時間にわたって継続する必要があります。
そこで大型集塵機は大型だからこそ大量の粉塵を長時間にわたって集塵することが可能です。大型集塵機によって工場内の粉塵を一括で集塵できる製品であれば、大量の粉塵の処理についてもスムーズに行うことができます。
設置場所や騒音に対する考慮が必要
画像出典先:曙工業株式会社
大型集塵機を導入する際には集塵の機能性だけでなく、あらかじめどこに設置するのか工場内のレイアウトを検討しておくことが必要です。また大型集塵機は大きな音が発生します。そのため、快適な作業環境や騒音トラブルを防ぐためにも適切な騒音対策が求められます。
◇設置スペース
大型集塵機を導入する際には、まず工場内での設置スペースを検討する必要があります。機能性や性能だけでなく、集塵機をどこに設置するかも重要な要素です。工場のレイアウトや作業スペースの確保状況によって、適切な設置場所が異なります。
設置スペースが足りない場合は、工場全体のレイアウトを見直して、屋外も含めて検討し、最適な場所を確保する必要があります。また、設置場所を決定する際には、集塵機の運用やメンテナンスの便利さも考慮しましょう。設置スペースの確保は、大型集塵機を導入する上で重要なポイントの一つです。
◇騒音
集塵機はパルス音やファンの音、ダクト音などが騒音問題となりやすいです。特に汎用型で最大風速が78㎥/min以上の集塵機の場合、飛行機の機内と同程度である80dBを超える大きな音を発します。
またパルス型で最大風速が55㎥/min以上の集塵機でおよそ78dB、屋外に設置する集塵機でも56dBの音を発します。大きな音が発せられることは作業員同士のコミュニケーションがとりづらくなることや、ストレスに繋がるでしょう。
さらに大きな音は近隣との騒音トラブルの原因となる可能性があるため、集塵機を設置する際には騒音に対する対策が求められます。
大型集塵機の設置は屋外がオススメ
大型集塵機は屋内の作業スペースにおいて広い設置スペースを要します。そのため大型集塵機を導入する際には、屋外への設置をおすすめします。その際は、騒音対策も必要となります。ここでは大型集塵機を屋外に設置する場合に必要な対策について詳しく解説します。
◇適切な騒音対策で被害を削減
集塵機の騒音はダクトを通じて外部に漏れるために、本体とファンとダクト部分にそれぞれの防音対策をする必要がございます。集塵機本体からはパルス波が出るために、サイレンサーを設置することで発生する音を減少させます。
ファンからも多少の騒音が発生するために、遮音材で囲むことは得策です。最も騒音の影響となるのはダクトです。一般的にダクトは金属製のパイプで中は空洞のため、音が伝導しやすい状態です。
空洞内で音が反響することが原因となるために消音材をダクトに巻きつけるまたは消音ダクトへの交換も効果的です。騒音対策の施工をする前には、実際の現場で騒音レベルや周波数などを調査することが重要になってきます。
現場の騒音レベルから機械の設置状況、配置、機械サイズなどの細部まで確認することが重要です。
◇屋外の場合サビや腐食に注意
大型集塵機は機能性が高いものの広い設置場所を必要とするため、屋内などの作業スペースでは導入が難しい場合があるでしょう。そこで大型集塵機を屋外に設置することは設置スペースを確保する上でメリットがあります。
一方で大型集塵機が雨風にさらされてしまうことでサビや腐食が発生する可能性がある点に注意が必要です。大型集塵機のサビや腐食は倒壊に繋がる危険性があります。そのため大型集塵機を屋外に設置する場合には、定期的なメンテナンスを欠かさず行い、傷んでいる部分などについては補修や交換を行うことが重要です。
屋外に集塵機を設置した事で課題を解決した事例を紹介
某工場ではチタンとステンレスをバフレースにて研磨しており、これまでは一台の集塵機によって両方の粉塵を集塵していました。しかしメンテナンス性の向上と廃棄物の純度を高めるために集塵機を増設することとなり、ステンレス用とチタン用で2台の集塵機による使い分けが必要となりました。
また屋内にあった既存の基幹ダクトが作業スペースを圧迫していることが課題となっていました。そこで屋内にあった基幹ダクトを屋外に移設することで、屋内の有効スペースを広く活用していく方針となりました。
これにより以前はそれぞれのバフレースにダクトホースが上下1本ずつ伸びているのみであったものが、バフレースにホース先端を差し込むだけの着脱方式となりました。また簡単にチタンとステンレスの段取り替えが出来るようになったことにより、作業がより効率よく行えるようになりました。
工場内の大量の粉塵発生は大気汚染の要因となり得ます。これを防ぐためには、大型集塵機の導入が効果的です。大型集塵機は工場全体の集塵や大量の粉塵処理に適しており、広範囲の粉塵を集めることが可能です。設置場所や騒音対策も重要です。
特に屋外に設置する際には、騒音対策や腐食に注意が必要です。屋外設置の事例では、メンテナンス性向上と作業スペースの有効活用のために、基幹ダクトを屋外に移設することで効率的な粉塵処理が実現されました。大型集塵機の導入は工場の作業環境改善や大気汚染防止に貢献します。