空気清浄機は、目に見えない極小の汚染物質を捕捉し、ファンを通じて吸引された空気をフィルターで浄化します。空気清浄機の目的は空気の浄化であり、木材や金属加工時に発生する大きな粉塵を回収したい場合は大型集塵機の方が適しています。
空気清浄機が捕捉できる物質は、微細な粒子、有害ガス、微生物などで、特にアレルギー対策や空気中のウイルス抑制に有効です。空気清浄機では処理できない特定の化学物質や粒子には、それに適した集塵機を選定する必要があります。
目次
空気清浄機とは?
製造現場や工場において、清潔な空気を保つことは従業員の健康と生産性を左右する重要な要素です。以下では、空気清浄機の基本機能とその具体的な効果について解説します。
◇空気清浄機とは
空気清浄機は、空気中の汚染物質やアレルゲンを除去し、室内環境を清潔に保つための機器です。特に空気が悪化しやすい工場などの業務環境では、従業員の健康や作業効率に直接影響を与えるため、その重要性が高まっています。
空気清浄機は、一般的にファンを使用して周囲の空気を吸引し、内蔵されたフィルターを通過させることで、微細な粒子や有害物質を取り除きます。
空気清浄機の目的は空気を浄化することであり、目に見えないほど極小な汚染物質を捕捉します。比較対象に大型集塵機が挙げられますが、こちらの目的は粉塵の回収です。
大型集塵機は木や金属を削ったときに生じる粉のような比較的大きいダストまで対応が可能な点が、空気清浄機との違いと言えます。
◇空気清浄機でできること
空気清浄機の主な効果として、以下が挙げられます。
・粒子状物質の除去
花粉、ホコリ、ペットの毛などの粒子状物質を効果的に除去します。高性能フィルターを搭載したモデルは、0.3ミクロン以上の微粒子を捕捉する能力があり、アレルギー対策に最適です。
・有害ガスの吸着
活性炭フィルターを備えた空気清浄機は、揮発性有機化合物(VOC)、タバコの煙、ペットの臭いなどの有害ガスを吸着・除去します。
・微生物の抑制
一部の空気清浄機は、UV-Cライトやプラズマ技術を用いて、空気中のウイルス、細菌、カビの増殖を抑制します。
◇空気清浄機の方式
空気清浄機には、主にファン方式・電気集塵式・イオン式の3つの方式があります。
・ファン方式
ファンを回して空気を吸い込み、フィルターを通して有害物質を除去する、最も一般的な方式です。コンパクトなサイズのものが多く、集塵能力にも長けていますが、目詰まりを起こさないようフィルターをこまめにメンテナンスしなければなりません。
・電気集塵式
有害物質にプラス、フィルターにマイナスの電荷を帯電させ、静電気の働きで吸着させ除去する、業務用に多い方式です。ファン方式と同じくフィルターを利用しますが、電気式のためほとんど目詰まりは起こりません。ただし、仕組みが複雑なぶんサイズが大きくなりやすく、置き場所を考える必要があります。
・イオン式
空気中にイオンを放出し、有害物質を無力化する方式です。仕組みが単純なぶん安価な傾向がありますが、花粉や埃など直径が大きな有害物質にはあまり効果がありません。
◇空気清浄機の選び方
空気清浄機を選ぶ際は、方式以外に以下のような点にも注目しましょう。
・適用床面積
適用床面積とは、日本電機工業会で定められた基準であり、タバコ5本分の喫煙を30分で清潔にできる広さを示します。実際の広さ以上を最低限に、効率を求めるならばより広いものを選ぶのが良いでしょう。
・対象とする有害物質と除去率
黄砂やPM2.5、花粉、埃、排気ガス、カビなど、対象とする有害物質は、空気清浄機によって様々です。目的の有害物質と合致しているかはもちろん、「○%除去」・「○%抑制」などの表記を目安に、除去率も確認しておきましょう。
・その他の機能
空気清浄機には、メインの空気清浄機能の他にも、加湿や脱臭の機能が付いたものがあります。目的の機能の有無、それぞれの機能を単独で使えるか、などを確認しておきましょう。
集塵機とは?
集塵機は、空気清浄機と同じく、製造現場や工場において清潔な空気を保つ働きを担っています。以下では、集塵の基本機能とその具体的な効果、方式、選び方について解説します。
◇集塵機とは
集塵機は、空気中の塵や粉塵を集めて除去し、室内環境を清潔に保つための機器です。研磨や切断、吹き払い、払い落とし、攪拌、投入など、物を加工する過程では必ず塵や粉塵が発生します。集塵機は塵や粉塵を集めて除去することにより、工場における従業員の健康を守り、作業効率の向上を助けています。
◇集塵機でできること
集塵機の主な効果として、以下が挙げられます。
・塵や粉塵の除去
集塵機は、乾燥した塵や粉塵はもちろん、水分を含んだ塵や粉塵の除去も可能です。これにより、製造現場や工場の空気や床がきれいに保たれ、従業員の呼吸器系へのリスク、火災や転倒などの事故リスクが低減します。また、塵や粉塵が機械に溜まりにくくなるため、故障も起こりにくくなります。
・有害ガスの吸着
集塵機の中には、フィルターや内部の層への工夫により、ダイオキシンや酸性ガスなどの有害ガスの吸着を実現したものもあります。煙やにおいを含めて低減させることで、従業員はもちろん、周辺住民の健康と環境を守ります。
・法令の順守
塵や粉塵、有害ガスは、健康・環境へ大きな影響を与えうるため、法令により基準や規制が敷かれています。法令に違反すると、罰金や罰則の対象となるのはもちろん、周辺地域からの信頼も失いかねません。集塵機の導入は、各種法令の順守とそれによる信頼の維持にも繋がります。
◇集塵機の方式
集塵機には、高性能な集塵機、その前に粗い粉塵を除去する集塵機の2種類があります。高性能な集塵機には、主に湿式集塵機・ろ過集塵機・電気集塵機の3つの方式があります。
・湿式集塵機
空気を水中に通過させて、あるいは空気に液体を吹き付けて、塵や粉塵を集めて除去する方式です。幅広い有害物質に対応できるうえ、高い除去率を誇りますが、排水処理を要するぶん初期費用やランニングコストが嵩みやすい傾向があります。
・ろ過集塵機
空気にフィルターを通過させ、塵や粉塵を集めて除去する方式です。フィルターに塵や粉塵が溜まると効率が落ちるため、払い落としや交換による定期的なメンテナンスが求められます。
・電気集塵機
塵や粉塵にマイナス、集塵機にプラスの電荷を帯電させ、静電気の働きで引き寄せて除去する方式です。小さな塵や粉塵を効率よく除去でき、脱臭力にも優れていますが、初期費用やランニングコストが嵩みやすい傾向があります。
また、前に置かれる集塵機には、主に重力集塵機・慣性力集塵機・遠心力集塵機の3つの方式があります。
・重力集塵機
大きな空間により空気の速度を急激に落とし、重力で塵や粉塵を集めて除去する方式です。細かい塵・粉塵には対応できませんが、初期費用が比較的安く抑えられます。
・慣性力集塵機
障害物に空気をぶつけて、あるいは空気の流れを変えて、慣性力で塵や粉塵を集めて除去する方式です。空気が流れる速さによって効率が変わる難しさがあるものの、初期費用やランニングコストが比較的安く抑えられます。
・遠心力集塵機
円筒形の装置の中で空気を回転させ、遠心力で塵や粉塵を外側に集めて除去する方式であり、サイクロン式集塵機とも呼ばれます。細かい塵・粉塵には対応できませんが、初期費用が比較的安く抑えられるうえ、メンテナンスも容易に行えます。
◇集塵機の選び方
集塵機を選ぶ際は、方式以外に以下のような点にも注目しましょう。
・フードの形や設置場所
フードとは、塵や粉塵を効率的に集塵機に運ぶための覆いであり、形や設置場所により、集塵効率が大きく左右されます。塵や粉塵の性質、空気の流れなどを考慮しながら、適した形・設置場所のものを選びましょう。
・制御風速と必要風量
制御風速とは、集塵機の開口部を空気が通る速度であり、フードの形に応じて法律で基準が設けられています。制御風速が分かれば必要風量が計算できますので、それに基づいて集塵機を選びましょう。
・集塵容量と取り出し方式
塵や粉塵を多く溜めておける集塵機は、そのぶんゴミ捨ての頻度が減るものの、一回のゴミ捨てが重労働になります。また、ゴミ捨ての手間は、ダストボックスやホッパー、バケットなど、ゴミの取り出し方式によっても左右されます。
空気清浄機と集塵機の違い
似たような働きを持つ空気清浄機と集塵機ですが、その目的や対象には違いがあります。以下では、空気清浄機と集塵機の違いを解説します。
◇目的
空気清浄機と集塵機は、どちらも空気を清潔に保つ働きを持っていますが、空気清浄機の目的は空気を浄化すること、集塵機の目的は塵や粉塵の回収であり、双方の目的は異なります。こうした目的の違いは、後述する対象の違いにも繋がっています。
◇対象
空気清浄機と集塵機は、目的が異なるがゆえに対象も異なります。多くの空気清浄機は、部屋全体の空気を循環させ、目に見えないほど極小な汚染物質を捕捉します。一方、多くの集塵機は、特定の場所での局所排気にも対応しており、木や金属を削ったときに生じる粉のような比較的大きいダストまで回収できます。
空気清浄機で集塵できる?

空気清浄機は、室内の空気質を改善するための便利な機器ですが、その機能には限界があります。ここでは、空気清浄機が集塵に向かない理由と、粉塵の種類によっては効果が期待できない点について解説します
◇局所排気には向かない
空気清浄機は、部屋全体の空気を循環させて浄化する設計になっているのが一般的です。しかし、特定の場所や局所で発生する汚染物質や粉塵を迅速に排気する能力は限られています。
局所排気が求められる場面、例えば工場内での加工や粉体取扱作業などでは、特定の場所からの即時排出が必要です。このような状況では、空気清浄機は機能不足であり、専用の大型集塵機のほうが効果的です。
◇粉塵の種類によっては回収できない
空気清浄機は、主に微細な粒子やアレルゲンを除去するために設計されていますが、すべての粉塵を効率的に回収できるわけではありません。例えば、特定の産業用途で発生する化学物質や粒子は、空気清浄機のフィルターでは処理できないことが多いです。
また、空気清浄機はVOC(揮発性有機化合物)などの有害ガス除去を目的として設計されていないため、その点も考慮する必要があります。業務環境での使用を検討する際は、対象とする粉塵の種類とその特性に応じた適切な装置を選ぶことが重要です。
大型集塵機で空気の清浄も可能
大型集塵機は、主に工場や産業現場での粉塵除去に使用されますが、その機能は集塵だけにとどまりません。最新の技術を用いた大型集塵機は、空気の清浄化にも寄与できる機能を備えています。
◇湿式集塵機やミストコレクターで集塵と脱臭を両立
湿式集塵機は、水を利用して空気中の粒子を捕集する仕組みの集塵機です。特に油煙や化学物質を伴う作業環境での使用に適しています。また、湿式集塵機の中には、臭いを抑える機能が搭載されているモデルもあります。
ミストコレクターは、冷却水や洗浄剤を使用して空気中の微細な液体粒子(オイルミスト)を除去する機器です。ミストコレクターのメリットは、ミストの除去と同時に臭気も抑えて空気を清浄化できることです。
◇集塵機能を強化した空気清浄機能もある
最近では、集塵機能を強化した空気清浄機も登場しています。これらの機器は、高性能なフィルターや先進的な空気循環システムを搭載し、微細な粒子やアレルゲンの除去に加えて、悪臭をも処理する能力を持っています。
ただし、集塵機能を強化した空気清浄機は、一般的に広い空間の空気を清浄化することを目的としており、局所的な排気が求められる場面には適していません。
そのため、例えば加工機械の近くで発生する粉塵や煙を即座に排出する必要がある場合は、専用の局所排気装置との併用が理想的です。
大型集塵機で空気清浄を実現した事例
ここからは、大型集塵機を採用することで、集塵と空気清浄の両方を実現した事例をご紹介します。
◇湿式集塵機で解決した事例
蒸気状の油の処理に困っていた工場の事例です。この工場から出る蒸気状の油は非常に小さい粒子であり、既存の集塵機では処理が難しい点が問題でした。加えて、油分を含む排ガスの処理には環境基準を満たす必要がありました。
この課題に対処するため、排ガスを加湿して微粒子を大きくすることができる新型の湿式集塵機を採用。結果、集塵効率が向上し、排ガスもクリーンになり、周辺の住民からの苦情も解消されました。
◇ミストコレクターで解決した事例
オイルミストが原因で悪臭問題が発生していた工場の事例です。悪臭によって近隣からの苦情も発生し、対応が急務となっていました。
この問題を解決するために採用したのが、オイルミストを一台のミストコレクターで集中的に処理する方法です。結果、オイルミストの拡散を防ぎ、臭気問題は解消され、さらに工場内の作業環境も大幅に改善されました。
おすすめの集塵機メーカーを紹介
こちらでは、大型集塵機を探している担当者の方におすすめのメーカーを3社紹介します。
◇株式会社アコー

完全受注・自社一貫の生産体制から生まれるカスタマイズにより、それぞれのニーズにあった集塵機の納品が期待できます。湿式集塵機やろ過集塵機、電気集塵機、遠心力集塵機など、幅広い方式の集塵機を取り扱っています。
会社名 | 株式会社アコー |
本社 | <所在地> 〒279-0022 千葉県浦安市今川1-1-40 <電話番号> 047-352-4761 |
大阪営業所 | <所在地> 〒564-0062 大阪府吹田市垂水町3-24-1 <電話番号> 06-6368-9551 |
静岡営業所 | <所在地> 〒438-0211 静岡県磐田市東平松500-1 <電話番号> 0538-86-6478 |
公式ホームページ | https://www.acokk.co.jp/ |
また、環境に配慮した製品とサービスを提供し、持続可能な社会の実現を目指しています。最新の技術を駆使し、効率的で安全な集塵システムを提供し続けています。
株式会社アコーについて詳しく知りたい方はこちらも併せてご覧ください。
さらに詳しい情報は公式ホームページでも確認できます。ぜひチェックしてみてください。
◇アマノ株式会社

アマノ株式会社は、時間に関わる事業として労務管理システムやタイムレコーダーなどを、空気に関わる事業として集塵機や空気清浄機などを手掛けるメーカーです。小型・大型集塵機の他、爆発圧力放散型・溶接用・レーザ加工用の集塵機を取り扱っています。
会社名 | アマノ株式会社 |
所在地 | 〒222-8558 神奈川県横浜市港北区大豆戸町275 |
電話番号 | 045-401-1441 |
公式ホームページ | https://www.amano.co.jp/ |
また、地域社会に根差した製造・販売体制を整え、顧客の要望に即した製品の創造・開発に取り組んでいます。持続可能な社会の実現を目指し、環境に配慮した製品とサービスを提供しています。
アマノ株式会社について詳しく知りたい方はこちらも併せてご覧ください。
◇株式会社大東工作所

株式会社大東工作所は、環境設備、実験装置、機械設備の設計・製作・据付を行う企業です。食品加工製造工場排水、空調・風洞実験設備、塗装設備、一般機械設備など、多岐にわたる分野で30年以上の実績を持ち、信頼と技術力でお客様のニーズに応えています。
会社名 | 株式会社大東工作所 |
会社住所 | 〒574-0035 大阪府大東市新田北町1-19 |
電話番号 | 072-874-0509 |
公式ホームページ | http://www.daitoukousakusho.com/ |
最新の技術を駆使し、持続可能な社会の実現を目指しています。
空気清浄機は、目に見えない極小の汚染物質を捕捉し空気を浄化することを目的としています。ファンを用いて周囲の空気を吸引し、内蔵されたフィルターを通過させることで、微細な粒子や有害物質を取り除く仕組みです。
これに対して、大型集塵機は木や金属の加工時に生じる比較的大きな粉塵を回収することが目的で、その機能において空気清浄機との主な違いがあります。
空気清浄機が提供する主な効果には、粒子状物質の除去、有害ガスの吸着、微生物の抑制があります。高性能フィルターを搭載したモデルは、花粉やホコリなどの粒子状物質を効果的に除去し、アレルギー対策に最適です。
活性炭フィルターを備えたモデルは、揮発性有機化合物やタバコの煙などの有害ガスを吸着します。また、UV-Cライトやプラズマ技術を用いるモデルは、空気中のウイルスや細菌の増殖を抑制する効果があります。
しかし、空気清浄機はすべての状況に対応できるわけではなく、局所排気には適していません。このような場合は、大型集塵機がより効果的です。また、空気清浄機は特定の化学物質や粒子を効率的に回収できないこともあり、対象とする粉塵の種類に応じた適切な装置を選ぶことが重要です。