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集中集塵とは?局所集塵の方がよいケース

公開:2024.07.25 更新:2024.07.25

アマノ

集中集塵は工場全体の粉塵を一箇所で処理し、効率的なメンテナンスとエネルギーコストの削減が可能です。局所集塵は発生源近くで直接粉塵を吸引し、即時除去が可能で作業環境改善に役立ちます。

ある工場の事例では、アマノが個別集塵方式を提案し、クロスコンタミリスクの低減やダクト内風速の一定化を通じて、作業環境の改善と安全性向上を図っています。

ただし、集中集塵は設置費用が高額になりやすく、局所集塵は複数装置の管理が必要で、小型装置では処理能力に限界があります。どちらが適しているかは現場によって異なるため、集塵機メーカーへ相談しましょう。

集中集塵と局所集塵の違い

大型集塵機などを用いた集塵システムは、工場や作業場で発生する粉塵や煙を除去し、作業環境の改善と作業者の健康を守るために重要な役割を果たします。集塵システムには大きく分けて集中集塵と局所集塵の2つの方式があり、それぞれ特性や適用範囲が異なります。

◇集中集塵とは

集中集塵とは、工場全体や広い作業エリアで発生する粉塵や煙を一つの集塵装置に集めて処理する方式です。集中集塵では、複数の作業ポイントから発生する粉塵をダクトで集め、中央の集塵機でまとめて処理します。

集中集塵システムの利点は、管理が一元化されているため、効率的なメンテナンスが可能であり、大規模な粉塵処理が必要な工場や作業場に適している点です。また、大規模な集塵機を使用することで、エネルギーコストの削減や設置スペースの節約にもつながります。

しかし、集中集塵には設置費用が高額になる場合や、ダクトの設置や配管工事が必要となるため、初期投資が大きくなるというデメリットもあります。また、システムが一つの集塵機に依存しているため、集塵機の故障時には全体の作業環境に影響が及ぶリスクが少なくありません。

◇局所集塵とは

局所集塵とは、特定の作業ポイントや機械の近くで発生する粉塵や煙を、その場で即座に除去する方式です。各作業ポイントに小型の集塵装置を設置し、発生源から直接粉塵を吸引するため、効率的に粉塵を除去できます。

局所集塵のメリットは、粉塵や煙の発生源近くでの即時除去が可能であるため、作業環境の改善効果が高いことです。また、個別に集塵装置を設置するため、システム全体の柔軟性が高く、変更や増設が容易です。

局所集塵のデメリットとしては、複数の集塵装置を管理する必要があるため、メンテナンスの手間が増えることや、各装置に対する個別の電力供給や設置スペースが必要となることが挙げられます。

また、小型の集塵装置では処理能力に限界があるため、大量の粉塵が発生する場合には対応が難しくなる可能性が高いです。

集中集塵を採用した顧客の課題

粉塵
画像出典:アマノ株式会社 公式サイト

ある工場ではすでに集塵機を導入していたのですが、2つの課題が解決できていませんでした。

◇クロスコンタミ

クロスコンタミ(交叉汚染)は、異なる工程で生じる物質が混ざり合って発生する汚染のことです。特に、同一のラインで複数の製品を加工する場合や、同一の機器を使用して異なる製品を加工する際に発生します。

クロスコンタミにより、製品の品質が大幅に低下し、特に医薬品や食品など高い純度が求められる業界では重大な不具合です。例えば、製品の色や味が変わる、成分が混ざってしまうなどの問題がおこり、製品の再加工や廃棄、さらには顧客からのクレーム対応に追われます。

◇ダクト内の堆積

集中集塵システムでは、ダクトを通じて粉塵や煙を中央の集塵機に送りますが、ダクト内に粉塵が堆積することが問題です。

ダクト内の堆積が増えると、排気効率が低下し、システム全体の性能が悪化します。
さらに、堆積物が原因で火災や爆発が発生するリスクも高まります。

ダクト内に付着した粉塵が長期間蓄積されると、空気の流れが阻害され、排気不良が生じ、集塵機の効果が減少し、工場内の粉塵濃度が上昇していきます。

また、粉塵は可燃性のものが多いため、ダクト内に溜まった粉塵が何らかの原因で引火すると、火災や爆発を引き起こします。

アマノは個別集塵方式を提案

アマノは、工場や作業場の環境改善と効率化を目指し、個別集塵方式を提案しています。
個別集塵方式により、従来の集中集塵システムに伴う問題を解消し、より効果的な粉塵管理を実現することが可能です。

◇大幅にレイアウトを変更

アマノの提案する個別集塵方式では、加工機1台につき集塵機1台を設置することで、各加工機から発生する粉塵を即座に除去します。加工機から発生する粉塵を即座に除去することで、集中集塵方式で問題となるクロスコンタミのリスクの低減が可能です。

加工機のレイアウト変更により、異なる製品が同一空間で加工されることを避け、粉塵の混入を最小限に抑えることで、製品の品質が向上し、再加工や廃棄のコスト削減にもつながります。

◇ダクト内の風速を一定化

この工場ではダクト内の風速が不均一で、粉塵がダクト内に堆積しやすくなっており、排気不良や火災のリスクが高まっていました。

個別集塵方式にしたことで適切なダクト内搬送速度を維持しやすくなり、ダクト内の風速を一定に保てるようになりました。適切なダクト内搬送速度によって粉塵がダクト内に滞留せず、効率的に集塵機まで運ばれます。

作業環境の改善へ貢献

アマノは、作業環境の改善に向けてさまざまな対策の実施により多くの工場や作業場の効率化と安全性向上に貢献しています。

◇空調効率の向上

作業環境の改善において、空調効率の向上は重要な要素の一つです。アマノは、屋外排気が可能な集塵機を追加することで、空調効率の向上を実現しました。

従来のシステムでは、粉塵やオイルミストが空調機に入り込み、効率低下や故障のリスクが高まる問題があり空調機のメンテナンス頻度が増え、コストやダウンタイムが発生していました。

新たに導入した集塵機は、作業場内の粉塵やオイルミストを効率的に集め、屋外に排気することで空調機への負担を軽減することで、空調機のフィルターが詰まりにくくなり、空調効率が向上します。

作業場内の温度管理が容易になり、快適な作業環境が整い、空調機の故障リスクの減少による、メンテナンスコストの削減が可能です。

◇加工機の増設にも対応が可能

作業場の効率化を図る上で、加工機の増設は生産能力向上に不可欠です。アマノは、加工機1台につき集塵機1台を設置する個別集塵方式を採用し、加工機を別の加工室に移動させることで、スペースを有効活用しています。

レイアウト変更により、新たな加工機を追加する際のスペース確保と配線のしやすさが向上し、生産ラインの柔軟性が高まり、将来的な加工機の増設にも迅速な対応が可能です。


集中集塵システムは、工場や広範囲の作業エリアから発生する粉塵や煙を一箇所の集塵装置で処理する方式で、一元管理による効率的なメンテナンスと大規模な粉塵処理のニーズに応えます。このシステムはエネルギーコストの削減やスペースの節約が可能です。

一方、局所集塵では各作業ポイントに小型の集塵装置を配置し、効率的に粉塵を管理します。局所集塵の利点は、発生源近くで粉塵を速やかに除去できることで、作業環境の即時改善が可能となります。

ある工場の事例では、アマノの個別集塵方式を採用し、集中集塵システムの問題点を解消しつつ、より効果的な粉塵管理を実現しました。

この方式では、各加工機に一台の集塵機を設置し、発生した粉塵を即座に処理することで、クロスコンタミリスクを減少させ、ダクト内の風速を一定に保つことが可能です。これにより、粉塵のダクト内堆積を防ぎ、排気効率と安全性を向上させています。

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