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清掃工場の排ガスに関する課題とは?バグフィルター大型集塵機で有害物質を除去

公開:2024.04.24 更新:2024.04.24

清掃工場では、ゴミ焼却により有害物質を含む排ガスが発生します。主な有害物質はばいじん、窒素酸化物、ダイオキシン、水銀などで、健康や環境に悪影響を及ぼす可能性があります。法定基準を満たすため、バグフィルターなどの装置を使って有害物質を取り除きますが、メンテナンスが欠かせません。除去率は装置ごとに異なります。

清掃工場の排ガスの特徴と規制

日常生活で発生するゴミを焼却する清掃工場では、有害物質を含んだ排ガスの処理が重要です。清掃工場で発生する排ガスに含まれる有害物質やその特徴についてご紹介します。

◇清掃工場で発生するさまざまな有害物質

清掃工場では日夜、さまざまなゴミを焼却し、その過程でガスやチリ、ニオイが発生します。これらに対する対策が不可欠です。さらに、騒音や振動も問題とされており、清掃工場の運営には周辺地域や環境への配慮が求められます。

ここでは、排ガスに含まれる主な有害物質について説明します。

ばいじん

ゴミの焼却により発生する煤や塵など、微小な粒子の総称です。これらは肺の奥深くに侵入しやすく、呼吸器系の疾患のリスクを増加させる可能性があります。

窒素酸化物(NOx)

この物質は喘息の発作を引き起こすことがあり、呼吸器系の疾患にも関連しています。また、オゾン層の破壊など環境に対する影響も懸念されます。

塩化水素、硫黄酸化物(SOx)

酸性ガスと総称され、酸性雨の原因となることがあります。また、窒素酸化物と同様に呼吸器系に悪影響を及ぼす可能性があります。

ダイオキシン

不完全な燃焼により発生する毒性の高い物質で、発がん性があるとされています。また、免疫系や生殖系への悪影響も懸念される物質です。

水銀

神経系に対して極めて有害で、特に子どもへの影響が深刻です。水に溶け出して魚類に蓄積されることから、人間がこれらを摂取することにより健康被害が発生する可能性があります。

◇焼却施設の排ガスの規制

ゴミ焼却施設からの排出されるガスに含まれる有害物質には、法律で定められた適正な濃度や量が存在します。そのため、清掃工場では有害物質の種類や量を把握し、基準を満たす適切な処理装置の選定と環境の構築が重要です。

清掃工場の排ガスに関する課題

ゴミ焼却の清掃工場では過去、水銀の濃度が自主規制値を超えたこともあり、排ガスに関する課題が存在しています。

◇清掃工場で水銀排ガス事故が多発

2014年度に発表された国内における水銀の大気排出量の内、3分の1にあたる33%が、ゴミ焼却施設などの清掃工場から排出されていることがわかりました。

東京23区のゴミを焼却処理する東京23区清掃一部事務組合では、2010年から2016年にかけて、水銀の自主規制値を超える水銀汚染事故が計18回起きています。
これは、プラスチックゴミに紛れたボタン型電池や体温計など、水銀が混入した製品を一緒に燃やしていたからだと考えられています。

出典元:ビジネスジャーナル

◇水銀を始めとした排ガスに関する課題

清掃工場における排ガスには、水銀だけでなくダイオキシンも多く含まれています。ダイオキシンは重大な環境問題とされており、厳しい排出基準が設けられています。さらに、2002年には一酸化炭素の排出基準も導入され、これらの有害物質の濃度削減が必須となっています。

しかしながら、ダイオキシン濃度や一酸化炭素濃度は、清掃工場の規模や焼却施設の能力に依存しないことが分かっており、どちらの濃度も既定の基準値を下回ることが求められています。

さまざまな排ガス処理方法

排ガスの処理方法はさまざまありますが、バグフィルターを用いた際の設備の一部をご紹介します。

バグフィルター大型集塵機で排ガスの有害物質を除去

清掃工場では、さまざまな有害物質を含む排ガスの処理が求められています。そこで、バグフィルターを使った大型集塵機を導入し、有害物質を除去、清浄な空気を放出するようになってきました。

減温塔

減温塔は、排ガスの温度を150℃近くまで下げる装置です。800℃以上の高温の排ガスを冷却することで、ダイオキシン類の再合成を防ぎます。

バグフィルター

バグフィルターは、繊維素材の袋(フィルターバッグ)を使用して排ガス中の固形粒子やダストを捕集する装置です。特に、ばいじんやダイオキシン類のような有害な微粒子の捕集に非常に効果的であり、大幅な濃度低減が期待できます。

脱硝反応塔

脱硝反応塔は、排ガス中の窒素酸化物を減少させるために使用される装置です。この塔内で特定の化学反応が促進され、窒素酸化物が窒素と水に分解されることで、排出されるガスの環境への影響を大幅に軽減します。

◇ゴミ焼却清掃工場で活用が進むバグフィルター

バグフィルターは、ゴミ焼却清掃工場における活用が進んでいます。これは、バグフィルターがもつ高い粒子捕集能力により、有害物質の排出基準を満たすのに効率的な処理能力をもっているためです。


バグフィルターは、特殊なフィルターに有害物質を含んだ排ガスを通すことで、排ガス内に含まれる塵やダイオキシンなどを捕集し、クリーンな空気を作ります。
フィルターの形状や構造も様々あり、またフィルターの素材を変えることで、高温の排ガスにも耐えられるなど、用途に応じた使い分けも可能です。目的に応じて柔軟な選択ができるため、活用が進んでいると考えられます。

◇バグフィルター式集塵機の特徴

バグフィルターの構造は、機械の内部に円筒状や平板状に加工されたフィルター(ろ布)が設置され、排ガスなどをフィルターに通すことで、内部に含まれる塵や有害物質を取り除き、クリーンなガスを外部に排出します。

バグフィルター式集塵機の肝となるフィルターで使用される素材は様々です。主流はポリエステルやコットンですが、ナイロン、ガラス繊維、ポリイミドなども使われています。これらは排ガス内に含まれる有害物質の性質に応じた使い分けが可能です。


そのため、バグフィルター式集塵機の導入において、特定の物質の除去には役立つものの、すべてにおいて万全という訳ではないことには注意が必要です。

バグフィルター式集塵機の効率を高めるためには、フィルターの目詰まりを防ぐメンテナンスが欠かせません。また、フィルターの破損や劣化は、有害物質を含んだ排ガスを排出することにもつながるため、日々のメンテナンスが欠かせない点は、デメリットとしてあげられます。

◇ゴミ焼却清掃工場での除去率

ゴミ焼却清掃工場におけるバグフィルターの除去率は、自治体や導入している設備によって変化するため、一概には断定することはできません。
ただし、バグフィルターのスペックによっては、有害物質の除去率は90%以上を超えることが多く、排ガスの濾過において非常に重要な役割を持っているといえます。


清掃工場では、ゴミ焼却により排ガスが発生し、その中には有害物質が含まれます。主な有害物質には、ばいじん、窒素酸化物、塩化水素、硫黄酸化物、ダイオキシン、水銀などがあります。これらの有害物質は、健康や環境に悪影響を与える可能性があります。

清掃工場では、法律で定められた排出基準に合わせるため、バグフィルターなどの処理装置を導入しています。

バグフィルターは、有害物質を含む排ガスを除去し、クリーンな空気を放出します。しかし、メンテナンスが重要であり、除去率は導入する設備によって異なります。

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