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大型集塵機の差圧の目安は? 差圧が上昇する原因も解説

公開:2024.01.29 更新:2024.02.06

大型集塵機において、差圧は重要な指標です。差圧はろ過プロセスの健全性を示す要素であり、適切な管理が必要です。一般的な差圧の目安は1〜2キロパスカルで、ろ過速度は0.3mから2m毎分の範囲内に設定されます。差圧が正常範囲内に保たれることは、システムの効率的な運転と製造ラインの正常な機能を維持するために不可欠です。

差圧とは

大型集塵機の導入する際、差圧について把握しておくとフィルターの交換目安に役立ちます。まずは、差圧とはなにか、その重要性について解説します。

◇差圧とは

差圧とはその名のとおり、2つの異なる場所やポイントの圧力の差を測定するものです。2つのポイント間の圧力差を正圧(+)と負圧(-)の2つを用いて示すだけでは、それぞれのポイントの具体的な圧力情報まで分かりません。そのため、異なる容器内の圧力差や流路の圧力差など、2つのポイント間の圧力差が重要な場合に使用されることが多いです。

差圧を測定するためには、差圧計を用います。差圧計には、ピストンやダイアフラムなどが含まれ、ひとつのポイントを基準点とし、もうひとつのポイントと接続して相対的な圧力差を測定します。微小な差圧は重要な場面では、「微差圧計」を用います。

◇差圧の重要性

基準圧力からの圧力の差を示す差圧は、フィルターの寿命判断に役立ちます。一般的にシステム要件やろ過プロセスなどのさまざまな条件によって、フィルターの寿命は前後するため、一概にはいつまでとは判断できません。

しかし、差圧の変化はフィルターの交換時期を知る手がかりとなります。具体的には、差圧の増加です。たくさんのダストがフィルター表面に付着して効果的な清掃が難しくなると、段々と差圧が上昇し、ろ過効率が低下します。効率低下や排出トラブルが見られた場合、フィルターが寿命を迎えつつある可能性が高いと言えるでしょう。

差圧の目安

画像出典先:集塵機メンテナンス.com

差圧について分かったところで、次に差圧の目安をご紹介します。差圧の目安はどれくらいなのか、そして差圧が上昇した際の対処法を知っておくと万が一の際にも役立ちます。

◇差圧の目安は1〜2キロPa

ろ過プロセスにおける差圧の目安は1〜2キロPa、なろ過速度は0.3mから2m毎分の範囲です。一般的にフィルターが異物を収集すると圧力損失が上昇します。そして、ろ過層の強度が不十分だと圧力損失が上昇によりフィルターが変形し、結果的に異物が押し出されてしまうことでろ過の効率が低下します。

圧力損失が増加すると、ろ過プロセスに問題が生じ、製造ラインにさまざまな支障が発生する可能性があります。そのため、製造ラインでの圧力損失を適切に管理することは非常に重要です。

◇差圧が上昇した場合の対処法

バグフィルタの差圧が上昇した際の対処法は主に2つあります。そもそもバグフィルタとは、工業プロセスで広く使用される集じんシステムの一種です。バグフィルタのろ布表面に捕集されたダストが増えると圧力損失が増大し、システムの問題が発生するため、定期的に煤じんを払い落さなければなりません。払い落し作業は通常、ろ布の裏側からガスを通すか、ろ布に振動を加えることで行われます。

バグフィルタの主な特徴として、高い集じん率(通常99%以上)と低い出口煤じん濃度(約10mg/m3N程度)があります。処理ガスの温度、湿度、成分、およびダストの特性に合わせてバグフィルタの性能を選択しましょう。また、ろ布の寿命は通常数年ですが、ガスや煤じんの特性に大きく影響されます。

また、バグフィルタは設備費用が比較的安価で、中程度以下の処理ガス量を持つ工業プロセスに広く採用されています。ただし、ろ布の交換や圧力損失の補正にかかる維持費用と運転動力費用を考慮する必要があり、これらのランニングコストを踏まえたうえで導入を検討しましょう。

差圧が高くなる原因

差圧が高くなる大きな原因は、フィルターに付いたダストや異物が原因の目詰まりです。目詰まりにより空気の流れが悪くなり、従来の集塵性能が著しく低下し、差圧の上昇を発生させます。ここからは、より具体的に差圧が高くなる原因についてまとめていきます。

◇目詰まりと差圧上昇の関係

バグフィルター内部には、一次層と呼ばれる最初の粉体層が形成されます。この一次層は、反応生成物や微粒子が付着して成長し、フィルターの目詰まりを引き起こす主要な要因です。特に長期間の運転により、一次層は徐々に成長し、差圧を上昇させます。

また、 一次層の上に非反応二次層が形成されることがあります。この層には反応生成物が多く含まれており、通常の払い落としでは効果的に取り除くことが難しいため、差圧の上昇に寄与します。

さらに、一次層の成長や非反応二次層の形成により、ろ布表面の通気孔がほぼ閉塞され、空気の流れが妨げられます。これにより、差圧が上昇し、フィルターの効率が低下します。

目詰まりが深刻な状況では、通常の逆洗操作だけでは目詰まりを解消できないことがあります。逆洗操作の限界に達すると、差圧がさらに増加し、通ガスを確保することが難しくなります。パルス圧力が低すぎると、フィルターバッグの清浄が不十分になり、フィルターの目詰まりを引き起こすほか、エネルギーコストの増加につながります。

◇差圧上昇の主な原因

ここでは、差圧上昇の原因を具体的に解説します。まず、ダストに含まれる湿気は、フィルター表面に湿って粘性の高いダストケーキ層を形成する原因となります。湿ったダストケーキ層は、フィルターの通気を阻害し、高い差圧の要因となります。湿度が高い環境では特に注意が必要です。

また、ダストに含まれる湿気は、フィルター表面に湿って粘性の高いダストケーキ層を形成する原因となります。湿ったダストケーキ層は、フィルターの通気を阻害し、高い差圧の要因となります。湿度が高い環境では特に注意が必要です。

フィルターバッグの清掃や交換が適切なタイミングで行われていない場合、ダストがバッグ表面にこびりついて、払い落されなくなります。異なるダストの種類によって、適切なメンテナンスサイクルが異なるため、サプライヤーや専門家と相談することが重要です。

さらに、バグフィルターの適切な運転方法が守られていない場合、差圧の上昇を引き起こすことがあります。特に、起動時に適切なウォームアップが行われないと、湿度が高まり、ダストケーキ層が形成され、差圧が上昇します。バグフィルターを適切にシャットダウンする前にクリーニングを行うことが必要です。

これらの要因が考慮され、バグフィルターの効率的な運転とメンテナンスが行われることで、高い差圧を回避し、システムの正常な動作を確保できます。


差圧は、2つの異なる場所やポイントの圧力の差を測定するもので、差圧計を用いて測定します。差圧の重要性は、フィルターの寿命判断に役立つことから注目されます。フィルターの劣化や目詰まりにより差圧が上昇し、ろ過効率が低下するため、差圧の変化はフィルター交換の目安となります。

差圧の目安は1〜2キロPaであり、ろ過速度も0.3mから2m毎分の範囲内で設定されます。高い差圧はろ過プロセスに問題を引き起こし、製造ラインに支障をきたす可能性があるため、適切な管理が必要です。

差圧が上昇する主な原因は、フィルターに付着したダストや異物による目詰まりです。特に、一次層や非反応二次層の形成が差圧上昇に寄与し、ろ過効率を低下させます。湿気やダストの種類にも注意が必要で、適切なメンテナンスサイクルと運転方法が重要です。 バグフィルターは高い集じん率と低い出口煤じん濃度を持つ集じんシステムであり、適切な管理が必要です。効率的な運転とメンテナンスによって、高い差圧を回避し、システムの正常な動作を維持できます。

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